普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ステータス振り分け失敗案件からの感性のズレ

絵心というものがまったくない。それはもう、引くほどにないのだ。生まれる時のステータス振り分けで完全に数字を振られなかったスキルだ。

なので絵の上手なひとというのは尊敬するし、デザイナーなどという職業に就いているひとへの羨望の念も持っている。

なにせ僕がこの世に生み出したものといえばこんなものだからな。

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なんなんこれ。チラシの裏に落書きを始めたら興がのってしまい何やら訳の分からない遺跡の奥に眠ってそうなものが生み落とされた。
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ついでなので着色もしてみた。事態は悪化しているのは明らかだろう。

どうにもならないと判断したので
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とりあえずイキらせることで状況改善を試みたが、そもそもどうにもなってないものに何を施してもゼロはイチにならない。

ギリギリの話として3×3EYESとかスプリガンでジャングルの奥地にこんな感じの仮面があったと言われれば完全に否定はできないくらいといったところか。

しかしはこの程度、程度というのもおこがましい画力、センスなのである。

しかし世の中にはきちんと画力、デザインセンスにパラメーターを振り分けられて生まれた方々がおり、仕事として街中にその創作物を送り出しているのだ。

そんななか、散歩中に見つけたこの看板、心に訴えかけてくるものががあった。

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なんの変哲もないコインパーキングの看板かと思いきや、よく見るとなんか顔のようなものが。
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なんなんこれ、である。

マスコットなのか。マスコットであるとするならばだいぶ攻めているといえる。いや、あえて言おう。いるか?これ。これにお金発生してるんですか。

こちら界隈の料金形態は詳しくないのだけど、WEBサイト制作とかだとアイコンひとつ追加でプラスいくらとかあるのでこれもそうだったとするのならば、成果物としてこれを出された時ものすごい微妙な空気が流れたんじゃないかと思う。

依頼者も作業者もあまり強気に出ることが出来ないタイプのひとでなあなあでそのまま話が進んでしまって、結果このパイン野郎がパーキングの顔となったのかもしれない。

今調べてみたらこの駐車場の運営会社はパインカンパニーというらしい。もしかしたら社長の肝いりキャラだったりしてデザインのなかに入れざるを得ないという伝統があったりするのか。社長の娘がCM出ちゃうみたいなノリのことが発生している可能性がある。めんどくさい〜。

これに関しては利用者が無視をするということで心のモヤモヤを回避できるがこれだとどうだろう。

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フォント選び問題である。

この看板のフォントは確か「古印体」というのだけど、一般的、というか僕の認識ではホラーであったり緊張感のある文言を表現する際に使われるものだと思っている。わりと同じような認識ではのひとは多いかと思われるのだが、ごく一部、このフォントをノスタルジックで味わい深いものとしてとらえている層がいるようなのだ。

この看板もその層による作品だと思われる。この看板の雰囲気からだと息も絶え絶えの老執事が暗闇の中からコーヒーを差し出してくる映像が浮かんでくる。製作者としてはセピア色の雰囲気を想定しているのだろうけど。

写真はないのだけど、昔とあるメーカーのチャーハンの素にも古印体が使われており「おかあさん、チャーハンはやっぱりあみじるしだよね」みたいな文言がおどろおどろしく表記されていた。平和でほのぼのとしている食卓の風景を想定していてのだろうけど、フォントのせいで廃屋で起こっている親子の会話が聞こえてくる怪奇現象にしかみえなかった。

世の中色々な感性をもつひとがいるのだなと見聞を広める結果となったのだから結果オーライではあった。

 

絵についてはさっぱりという人生を歩んできているのだけど、なになら才能があるのかというのを考えたことはやはりある。

考えた結果、ひとを怒らせるのがやたらうまいという神様もどういうつもりでこの能力をふりわけたんだかという脳力に長けていることにある日気づいた。

発動させないよう気をつけているし、これで怒らせてしまうだろうなとわかっていると、逆にそれを避ければよいというのが明らかなので弱き生命として処世のためにこんな能力が与えれられたのかもしれないな、などと思っていたりする。