普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

広報のひとが大変そうな会社

ファイナルファンタジーVIIといえばゲームをたしなむ人間には説明の必要がないくらいのビッグタイトルだ。

そのゲーム内に登場する神羅カンパニーという企業がある。

主人公の仇敵としてなにかとちょっかいかけてくる悪徳企業として描かれているわけだけど、ゲーム内の世界での立ち位置としては相当な一流企業であるのはゲームをプレイしていてもわかる。

神羅上層部には個性豊かで放埒な人物が数多くおり、ストーリーを彩る側面としてはとても魅力的だ。

自分の上司だったら絶対に嫌だけど。

 

と、そこで考えてみた。

自分が神羅カンパニーの社員だったらどういう気持ちだろうと。

 

世界中に進出しており、電気をはじめとしたインフラ関係などその他事業でも圧倒的な力、影響力を誇る一流企業だ。

しかし、その影で事件、事故等を隠蔽するような体質があるとのことだ。

社外にまで流れてしまっている話だから、所属している従業員は当然、企業として健全でないという部分を認識したうえで日々の業務に勤しんでいると考える。

影の部分は当てはまるかどうかはともかく、企業としてのネームバリュー、影響力でいったらGAFAマイクロソフトクラスであろう。

 

そんな企業のいち社員として働いていたらどういった気持ちであろうかと考えたのだ。

役職にはついていない前提とする。

 

まず、身内は喜ぶだろう。

世界中誰もが知っている一流企業だ。自分の子供がそういったところでなんの仕事をしているかはしらないけど働いているというのは誇らしいだろう。

正月に親戚一同集まったときには話題でもちきりになることうけあいだ。

 

しかし、本人は悩むと思う。先に書いたようにネガティブな出来事に対しての隠蔽体質、個性的すぎるわがまま上司。かって気ままな人事異動。配属次第では僻地での勤務もある。

一流企業で働いているという外見のよさ、周囲の評価と社内事情を知りながら勤務しているギャップに、本当に自分は神羅で働いていていいのだろうか?と日々考える。

給料は良い。確かに周りの同世代より破格の給料をもらってはいるが、大事なのってそこじゃないだろうと。

不祥事はいつだって隠蔽。しかしそれが明るみになったとき、そういった企業で勤務している自分を母はどう思うだろう。悲しむに違いない。

 

もう、やめよう。

明日上司に退職希望の旨を伝えよう。

そう思い、眠りにつく。

ということを3年続け、今日も自分のデスクで業務を行っている。

 

という塩梅だ。

だ。じゃないだろうという声もあるかと思う。あくまでも自分が所属していたらの話なので、それぞれの神羅観はあるだろう。

ワークライフバランスがしっかりしているホワイト企業神羅を想像するひともいると思う。

自想像のなかでデスクワークを前提とした勤務風景を描いたけど、ゲームをやっている限りかなり現場作業が多い会社なのではないかとは思う。

自分で言っておいてなんだけども。

 

まあ、主人公の行く先々に現れる従業員がデスクワーカーなわけはないか。

ただ、あれだけ大きい会社なのだから経理・財務、人事、法務、IT推進室など多岐にわたる部署があると想像される。

花方かつ重労働の裏を支える人々はいるはずだ。

自分はそっちの人間として神羅に所属する。

 

ゲーム内の企業だけど、こんなに妄想させてくれるのはファイナルファンタジーVIIが良いゲームであり、神羅カンパニーが魅力的に描かれているからこそなのだなと改めて関心したのだった。