普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ぼんやりとしたもの

いつもと同じ帰宅に使用する駅。エスカレーターに乗ってホームへ近づいていくにつれて、なにやらブザーが鳴り響いている事に気づいた。

ホームに到着するとその音はかなりの大音量で、耳をふさぎたくなるほどであった。

これはもしやと、アナウンスに耳をかたむけていたところ、どうやら駆け込み乗車による荷物はさまりが原因との説明だった。

ひとまず大事でなくてひと安心。

ふだんの帰宅時も駆け込みでたまに荷物をはさんでしまっている人がいるけれど、今回のようなけたたましい事態になっているのは見たことないのでよほどまずいはさみかたをしたのだろう。

はさむの自体だめなのでまずいも良いもないのだけど。

 

駅員さんのアナウンスで事態は把握したのだけど、ホームに響くアナウンスは普段よりも音量が大きく、露骨に不機嫌そうだった。

気持ちはわかる。わかるのだけど、荷物をはさんだ人はたぶん車内にいるのだろうし、ホームで待っているだけの人たちに露骨な不機嫌さをさらさなくても、とは、感じた。

そのかわり、荷物をはさんでブザーまでなる事態を引き起こした本人にはきっちり怒ってよいと思う。

 

そもそもなのだけど、東京の通勤、帰宅の時間帯の電車の本数というのは田舎出身の自分からすれば、電車が全部連結してるのと同じゃないかというくらい乗車のタイミングに恵まれていると考えるので、駆け込みまでして、挙げ句荷物をはさんでまでそのとき停車している電車に乗らなければいけないという感覚になれない。

これが生き馬の目を抜く街、東京ということだろうか。

もう上京して20年になるけれど、相容れない部分もあるのだな。

 

おもえば、曖昧な部分の多いタイプの人間であると感じる。

田舎出身者だけれど、幼い頃から引っ越しが多かったせいもあるのか郷土愛というものがそう強くなく(ないわけではない)、将来的に地元で暮らしたりすることを考えられるかというと考えられず、そうかといってずっと都会に住み続けていきたいと考えているわけでもない。

自分で作曲していたときも、大好きなメタル、ハードコア一本槍といった曲調はなるべく避けた。これは本人がそう思ってるだけで聞いた人がどう思ってたかは知らない。

ただ、そういった曖昧な自分もいいじゃない、おいしいとこ取りでうまくいくならそれがベストじゃないの、という部分に関してははっきりと言える。

そういうところがまたふわふわした部分に拍車をかけるのかもしれない。

 

話がよくわからなくなったけど、電車は平和に乗降したい。

そんなお話。