ラグビーといえば数年前のラグビーワールドカップをきっかけに今やすっかり国民的スポーツとなった。しかし、その由来をご存知だろうか。
太古のアフリカ。その地では農耕は定着しておらず、日々の食糧は狩猟によって得ていた。
その中でも鳥の卵は貴重なタンパク源であり、ダチョウの卵ともなると大きさもあいまって非常に重要な位置を占めていたのである。
しかしひとりでダチョウの巣から卵を奪うという行為は危険極まりなく、自殺行為であることから複数人で卵を採取しにいくこととなる。
ひとりが隙をついて卵を奪えば当然ダチョウはその人物を追いかける。脚の速さでは敵わないので並走している別の人物へ卵を放り投げる。それを繰り返しダチョウが疲れ果てるか、ダチョウに襲われない場所まで走り続けて卵をそっと置くことで卵採取成功となった。
これがラグビー発祥の由来である。
と、いう話を行きつけの飲み屋でしていたところ、絶対民明書房発行の本に載ってるやつだという話になった。
民明書房とは「魁!男塾」に登場する未知の武術などが登場すると説明の際に出典とされる本を発行している架空の出版社なのだけど、飲み屋での会話はまさにそれだったのだ。というよりもそっちに寄せていった感すらある。
ひととおり盛り上がった後、民明書房で紹介されるならやはり漢字表記であるべきだろうということになり、あれこれ議論をした。
羅刹のごとく猛々しく、愚直に卵を求め、日々備えをかかさないようにし、威風堂々と卵を持ち帰る。
それは…
あまりにも字面がよかったので帰ってから行書体で書き起こしてしまった。
飲み屋の常連さんに送ったところ加工して本当に劇中に出てきそうなところまでみるみるうちに仕上がっていって笑った。権利的なアレでここに載せることができないのが惜しい。
それにしてもカタカナを行書体で当て字にするとなんというか、ヤンキーっぽさが出るというのは避けて通れないものなのだなと羅愚備威を見ると思う。これなんかは「羅」が入っているから「愛羅武勇」に引っぱられるというのもあるかもしれないけれども。
そしてお寺の山門にステッカーとなって貼り付けられていてもものすごく馴染みそうだ。
この件に限らずなのだけど、行きつけの飲み屋では常連同士で会話しているうちにある種のグルーブ感が生まれることがある。そしてそのグルーブが生み出すものは、よそで話すと怒られそうなものへと発展することも少なくない。みんな大人なのでそのあたりわきまえているためそな話題が流出するようなことはないのだけれども。大人とはうかつな話題で怒られたくないものなのだ。
ラグビーといえばハカがひとつのお楽しみポイントという層がいるらしい。
ハカとは試合前に力の誇示やら相手を激励するための踊りのようなものなのだけど、それがめちゃくちゃ暑苦しいのだ。
もともとニュージーランドだかの部族由来のものらしいのでそれはプリミティブかつ力強いものだったのだろうから暑苦しいの自体はまあよい。
しかし僕はそういった暑苦しいのが苦手なのだ。だったら見なければよい。そう思うだろう。その通りだ。実際特に自分から見ようとは思わない。
古くからの友人でこのテのものがすごく好きな友人がいて、その友人はぼくが苦手であることを熟知したうえでハカの動画を延々送り続けてきたことがある。完全にハカハラだ。
ラグビー流行る前の話だったような気がするので本当に好きなんだな、こういうの。
羅愚備威にしろ、ハカハラにしろ、生産性のないことに全力を尽くす友人、知人に恵まれたものだなと思う。
当然僕もそのタイプなのでこれからも積極的に虚無を生み出していきたい。