普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

酒と詭弁と気怠い午前

土曜日はバンド時代の仲間と酒を酌み交わした。前回会ったのが年始だったのでここ最近のペースでいうとかなり早めの再会だったことになる。コロナが最も猛威を奮っていたころなんて年に1度も会えていなかった、というか会うことをためらっているうちに時間ばかりが過ぎていってしまっていたのでこうして間を空けずに会うようになっているということにコロナ前の日常への回帰を感じる。

ここ最近圧倒的に会社関係のひととの宴席が多く、それはそれで楽しいには楽しいのだけど、”しっかりした自分”というものをある程度保つ必要があり、迂闊な発言は控える必要があったが、かつてのバンド仲間との会話はその必要がまったくないのが愉快で仕方ない。なんなら倫理観すら崩壊しがちなので録音とかされてたら炎上必至である。職場なんかにその会話を暴露されたら社会的に焼死する。

そんな飲み会、最初は花見をしようじゃないかという呼びかけで開催が決定したのだけど、その連絡がきたのが4月の頭。正直花は終わってしまっているのではないかなと思ったけど、こういうのってのは集まる口実でしかないので細かいことは考えずに二つ返事でOKを出していた。そして当日、手頃な公園に乗り込んでみたが案の定花が咲いていたという事実すら怪しいほどに花の存在感は皆無であった。しかし「花、ないね」「ま、口実ですし」の会話すらほぼないまま酒を開け飲み始めたので花見は口実以下でしかなかったようだ。

ひさびさに普通のサイズの缶ビール飲んじゃった

普段ビールはほとんど飲まない、というか透析患者の水分制限的な事情により飲めないのだけど、こういう日だし、と久々に缶ビールをチョイスした。この青鬼ビール、IPAが流行り始めたころから人気商品として君臨していたが、久々に飲むとやはりおいしい。今回はコンビニで購入したのだけど、コンビニで売ってもそりゃ売れるだろうなと思える。日本のビールに比べてかなり苦味が強いけど、フルーティーな香りがその苦味を包み込むのでぐいぐい飲める。というかぐいぐい飲むくらいの飲み方が僕にはちょうど良い。たぶん香辛料とか効いたお料理に合うんじゃないかな。このときはひたすらビールしか飲んでなかったけど。ただ、1本で飽きちゃう。でもIPAって香りが芳醇なものが多いのでわりとそういうものじゃないですか。入り口のお酒って感じ。

結局ビール1缶飲み切る頃には身体が冷えてきてしまって屋内に避難しようという話になり近所の飲み屋街へ。

以前であればせっかくの昼酒なのだからと半外みたいな席で「昼から飲んでるぞ!」という開放感を存分に味わって飲んでいたところだろうが、こちとら不惑を迎えて久しい。「不惑にして惑いっぱなしです」という古のワードを繰り出しがちであるが、冷えた身体を労ることに迷いはない。きっちり壁も空調も整った環境をチョイスした。しかしながら身体が冷えていたというわりには火の通ってないものばかりをオーダーしてしまっているあたりに不惑にして惑いっぱなしの片鱗を見せる。

属性「生」。弱点は炎系。

中身のない会話を積み上げる中でだんだんと中身がないだけでなく、会話の内容が詭弁に満ちてくる瞬間が訪れた。一般社会人としては「大丈夫…?このひと」となるところであるが、僕らからしたら「盛り上がって参りました!!」という会話内容なのである。

かつてメンバーの家に集まり夜通し飲んで、少しの仮眠を経たのちの気怠い午前中のやる気のない詭弁に満ちた会話。それがこの居酒屋で再現されたのだ。これがこのメンバーと飲む醍醐味であるとも言えるだろう。

しかしこうなると楽しくて仕方ないので時間が爆速で過ぎていく。あっという間に帰宅の時間となり会はお開きとなった。また近いうちに開催されることを望んで止まない。

 

ちなみに中身のない会話なのでほとんど内容は覚えてないのだけど、サザンオールスターズは日本のジューダスプリーストだよね!といったら概ね納得してもらったのが嬉しかったということだけ覚えてたのでご報告しておきます。新曲がいくら出てもそのたびに「懐かしい、知ってるなこれ」となるのがその理由です。

そんじゃまた!