家の窓から川が見える環境に住んでいて、そこが今の家のお気に入りポイントでもある。住んでいるのは都心ではあるけれど、川の近くには色々な生き物が集まるもので、窓から見える範囲でもハト、カモ、カラス、名前がわからない小さい白い鳥、やっぱり名前のわからない大きい白い鳥(たぶん白鷺)などが確認できる。あとこないだ蛇が壁を這っていて固唾を飲んで見守ってしまったこともあったな。
家の中から眺めているだけなので平和に眺めることができるというものだが、この間衝撃の現場を目撃してしまった。カラス2羽が動物の死骸をついばんでいたのである。ついばまれている対象はおそらくハト。野生の王国がそこにあった。
僕が見たときにはすでに絶命していたと思われるし、なんなら胴体しかなかった状態だったのでカラスがハントしたものであるかどうかは定かではなかったけれども、乱暴についばむものだからハトの羽は散らばっていて「惨劇」という言葉が脳裏をよぎってしまった。
まあ、都心とはいえ野生に生きるもの同士の出来事なので、かわいそうとかそういう視点で見るものではないかなとしばらく観察しそのときはふだんの生活に戻った。
当然ではあるがカラスは食事の片付けはしない。一通りついばまれ終わった亡骸がそこに残されることとなる。この後の流れとしては善良な誰かが区の担当部署に連絡し、近日中に回収となるというのが一般的だろう。
しかしこのときは事情が異なった。その日の夜にけっこうな勢いの雨が降り、すぐに増水するその川はみるみる水位を上げたのだ。流れだって勢いを増す。あえなく亡骸は流れに飲まれていったのだった。
ただでさえTHE・野生を見せつけられたのに、さらに自然の介入により元ハトが遠くに放り出される憂き目にあうという仕打ちを目撃し、野生なんて生優しいものではない生存競争の果てを垣間見たのであった。
ただ、今回は可視可能な形で元ハトが流されていったことで「は〜…ネイチャー…」とため息も出たが、ふだんから強めの雨がふれば増水しているこの川では虫たちも流されていってしまっているのだろうか。
虫嫌いでいえば他の追随を許さないでお馴染みの僕としては川に虫がいるであろうことは薄々気づいてはいながらもそれを想像したくなくて見て見ぬふりはしていたが虫たちの生活はあるだろう、あの環境は。
それが雨のたびにリセットされているのだとしたら虫社会のたくましさがすごい。それかやはり雨の際はどこかに退避していたりするのだろうか。雨の降らないところ、水の影響を受けないところに。そうなるとひとつ所に虫が集まって…
こわ!!こっわ!!
自分で虫の話はじめといてなんですけれども今日はもう店じまいだよ。自分がノアの方舟アンバサダーだったら虫乗せないかもしれない。ことはないけど、もう一艘舟を作って虫は全部そっちに乗ってもらう。ていうかその船がまたこわい。今日はもうだめだ🐛