普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

昔のアニソンが2周くらいまわって味わい深い

なんの脈絡もなく「いなかっぺ大将」という昔のアニメのオープニングソングを思い出した。僕はまったく世代ではないけど、たぶん再放送だのアニソン特集のテレビ番組を見て知ったのだと思う。

そんなに思い入れがあるわけでもないのになぜここまで時間が経過しても記憶に焼き付いているかといえば、その曲は数え歌型式になっていて歌詞がわかりやすかったというのがあると思う。ちなみに歌っていたのは若かりし(というか幼き)ころの天童よしみだ。声のハリと伸びが素晴らしい。


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ひとつ他人(ひと)より力もち

ふたつふるさと後にして

きちんと数え歌だしキャッチーだ。ちゃんと見たことないけどキャラにあった歌詞なのだろう。そのまま数字は積み上げられていき、6の時の歌詞が以下である。

むっつむしゃくしゃしたときは

大ちゃんドバッと丸はだか

おい。おいって。公序良俗に反しすぎだよ、大ちゃん。しかもドバッとって少しずつ脱ぐとかじゃなくけっこう思い切りよく脱いでるぞ。しかも雰囲気から察するにひと目につかないところではなく公衆の面前でやってこそのストレス発散方法になっているのだと思われる。

まあむしゃくしゃしたときにこっそり丸はだかという歌詞だったら夜に物陰から現れる露出狂めいたものを感じてしまうのでまだ健全といえば健全なのか。大ちゃんまだ10代っぽいし。いやどっちもだめだけど。

少し調べてみたら1960年代、70年代とかそれくらいの作品らしいので色々牧歌的かつおおらかな時代だったからこそこの歌詞でGoが出たのだろう。今だったら何かしら、どこかしらのコンプライアンスに引っかかりそうだ。

そもそもタイトルの「いなかっぺ大将」で騒ぎ出すひとが絶対にいると思う。しかも大ちゃんは青森から上京しているという設定らしいので青森県民(の一部のひと)が黙っていない。

全然知らないアニメのうろ覚えのオープニングソングが気になってついついちょっかいかけてしまった。ちなみに「いなかっぺ大将」と一発で変換されなくて「いなかっぺ対象」って変換されて言葉の前後の語感の温度差がすごかったことをここにご報告しておこうかと思います。

昔のアニメには専用のオープニング、エンディング曲が用意されていてアニメの内容に完全に沿った曲が流れていたわけだけど、専用に作られていたわりには「え、今なんて?」といった歌詞であることもある。

例えばルパン。「ルパンザサ〜」で有名なあのたぶん一番有名であると思われるテーマソングに歌詞付き、歌ありバージョンが存在するのだけど、あの歌詞もなかなかだ。

男には 自分の世界がある たとえるなら

空をかける ひとすじの流れ星

たとえかた独特すぎん?というかこれたとえられてる?男の自分の世界伝わってる?僕にはちょっとわからなかったのだけど、藤子ちゃんに伝わってればルパン的にはいいのかな。

曲がめちゃくちゃかっこいいのでなぜ謎の歌詞をつけたのかはこれまた謎ではあるけれども、この謎っぷりが深みとなりハードボイルド風といえばそうなのかもしれない。言葉少なに自分を表現するのもけっこうだが伝わってなかったらただのコミュ障なのでもっと頑張ってほしい。あとは受け取り手の問題ですよね。ハードボイルド周りには意外に善人が多いのかもしれない。

いつ頃からかアニメソングは普通のミュージシャンが担当することになってしまったけど、こういう「それ用」であれこれ言わせてほしい気持ちもあったりなかったりなのでした。

ハードボイルド(イメージ)