普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

高級だからいいってもんでもないんだねえ

昨日は出社日だった。午前中の仕事も佳境となり、出社日最高にして唯一の楽しみであるお昼ご飯に思いを馳せていたところ、「今日はお弁当の日だよ!」と同じシマの女性に声をかけられる。はて?お弁当?とまったくピンときていない顔をしていると「ほら、高級お弁当の日」と思い出す材料をくれた。

ああ、そうだ。何やら部の懇親会的な予算がまったく使われなかったから年度末だしいっちょ高級弁当で帳尻合わせたろうじゃないかと言われこの間注文をしたのだった。今日がその日か。お昼ご飯が決まってなかったのでちょうどよかった。

それにしてもコロナ的要因でここ3年くらい会社オフィシャルで飲み会みたいなものがいっさいなかったな。喜ばしいと思っているひとも少なくはないだろうけど、僕からしてみれば会社の飲み会はタダ酒チャンスでしかないのでなければないで少し寂しくもある。まあ来年度あたりから復活していきそうな雰囲気はあるけれども。

話を戻してお弁当だ。高級弁当なだけあって彩り鮮やかである。

けっこうな物量じゃねえか…

だが四十路ともなると鮮やかさに感動するよりもその量を胃袋におさめられるかを最大限に警戒する。一品ずつは一口サイズだけど、最終的に何口で食べ切れるかと言う話である。雨だれだって石を穿つ。一口ずつ食べたっていずれは胃袋を満たすのだ。

それと、ゆっくり食べようなどと思ってはいけない。早食いというのもよくはないが、ゆっくり食べると食べ終わる前に満腹感が訪れてしまう。速やかに、リズミカルにとテンポよく箸を進めた。

しかしいくつかのトラップにかかってしまった。上段真ん中の枠、合鴨ローストが配置されているが、その奥に桃色の丸いものがある。合鴨ローストで包むような状態になっていたので海の向こうのおしゃんな食べ物か何かかなとテンポよく食べたところ全然ふつうにまんじゅうだった。豪速球で日本の食べ物だった。しかも甘味。

配置そこであってる?おかずの部屋じゃん、そこ。右下にフルーツ見えるけど君の部屋そこじゃない?修学旅行で男子の部屋に遊びにきた女子みたいなことしちゃだめよ。まあちなみに右下のフルーツの部屋のフルーツ横はなますとキューちゃんなのでそれはそれでまた女子とおじいちゃんみたいな部屋ではあるのだけど。

こういったトラップ的な要素はありつつもテンポよく食べすすめたことにより、なんと無事食べ切ることができた、しかも余裕を持って。以前までの僕だったら絶対に食べきれずに「持ち帰って家で食いやす…へへ…」と卑屈な笑いを浮かべていただろうにきっちり全量を胃袋におさめることができたのだ。素直にうれしい。

が、これでは終わらない。さすが期末まで一切使われなかった予算。デザートを購入する予算まであったのだ。しかもこだわれちゃうほどの予算。

僕は知らなかったのだけど、ハーブスという有名なケーキ屋さんのケーキを大盤振る舞いとのことでお弁当と一緒にケーキも提供された。

なんか変な写真になっちゃった

これはさすがに無理だった。ただでさえお腹いっぱいなのにこれまたでっけーの。下手したらこれだけでお昼ご飯にしてしまえるほどの量だ。少なくともカロリーについてはそれくらいありそう。それくらいに大きい。

あのお弁当のあとにこれは食べれませんてと悲しみに暮れた顔をしていたところ、冒頭の女性が「じゃあ持ってかえる?」と箱をくれた。やさし。

悲しいケーキも持って帰れば妻も喜ぶ喜びのケーキとなる。そう思い帰宅し妻と食後に食べ始めたところ「これ、お酒入ってる?」と妻がぽつり。確かに言われてみれば洋酒っぽい風味が。webサイトを確認するとけっこうがっつり使われているようだった。授乳の関係もあるので妻はしゅんとしながら食べるのをやめた。すまなんだ、妻よ。喜びのケーキかと思ったらやっぱり悲しみのケーキだった。おいしいけれども。

期末は何かとひとのお金でおいしいものを食べられたりでお得だ。なのだけど、あのお弁当、値段に見合っているのかと言われたらごにょごにょ…自分で同じ金額出して買うのかと言われたらそのお金でオリジンのチーズチキンカツ生姜焼き弁当5回買います!とはきはき答えると思う。

そして今日、そのチーズチキンカツ弁当を買って食べたところ、昨日より満足してしまった。ジャンクと高級は対局にありそうだが、実はまったくの別ベクトルで存在するのだなとそんなことを思うのだった。

まあ出来立てってのはでかいよね。