普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

自由が丘で不躾な脳内を矯正

東京に住んでもう20年以上経つものの、行ったことがない場所というのは山ほどある。様々な媒体でよく見聞きするような有名な地名であっても用事が発生しなければ訪れることはない。

自由が丘も僕にとってはそんな街だったが、ついに赴く機会が訪れた。引っ越すにあたりベッドを新調することになり、良さそうなベッドのあるお店が自由が丘にあったのだ。

お店の名前は「ACME Furniture」。引っかかるひとには引っかかる店名ではあるが、本来の意味合いで言えばそりゃあたいそうよいものを揃えているお店という店名だ。

いや、我慢できない。あえて言おう。最初に店名を聞いた瞬間「絶頂家具…!!」と頭のなかで翻訳された。そういうことじゃないとは分かっていながらもこれまでの人生の教養が試された瞬間である。

そんな、やや不躾な脳内でもってお店を訪れたところ、それはもうACME(ちゃんとした意味のほう)で、店内目に着くものすべてが素敵ファニチャーであった。あんなんで部屋を揃えられたら現代の貴族と言ってもよい。

お目当てのベッドも発見し、確認が必要な部分を確認し、その場で購入を決意。多少お値段はACMEでありながらも、多ければ1日の3分の1は過ごすであろうベッドだ。こういうところは妥協しないほうがいい。毅然とした態度で購入に臨んだ。届くのが楽しみだ。

ついでにいうとその勢いでちょっと良いマットレスも購入したので、ベッドの上が居心地良すぎてベッドにいすぎて一体化でもしてしまうかもしれない。人間椅子的なポジションとして自分のうえで眠る人間をつぶさに観察していこうと思う。

 

目的も果たしたということで自由が丘の街を散策することとする。まあ何というんでしょう、落ち着いていておしゃれな雰囲気のある街であるというのは事前にもっていたイメージとあまり変わらなかった。大人っぽい原宿とか下北とか、そんな感じ。

でもところどころ沼袋(西武新宿線の駅)っぽさがあるところを僕は見逃さなかった。僕が自由が丘に踏み込むとしたらその隙を攻めるしかない。沼袋のことを隙そのものみたいな言い方するなという話ですけれども。

平たい生活のなかでは少し大きめの決断をし、街をぶらぶらしていたらおなかもすいてくる。この日は妻と一緒に行動しており、妻は最近欧風カレーにご執心であるためカレー屋を探してみるも、スパイス系とか薬膳系はあっても意外に欧風カレーを推しているところってないもので、ふたりでまごまごしたいた。

それでもほかの献立よりはやはりカレーということで薬膳カレーにチャレンジしてみることにした。店名は「魔女カレー」だったと思う。ネット情報的には安定感のありそうなお店だったのでそこに入店。

どうも夜は居酒屋、昼は間借りでカレー屋さんといったお店のようだった。店員さんも感じが良くて期待感がもてる。

メニューはシンプルにカボチャのスパイシーポタージュみたいのと山椒入りキーマカレーの2種類。あいがけもできるらしいとのことだったので夫婦ともどもあいがけをオーダー。でてきたものがこちら。

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おなか的には欧風カレーになっていたものの、このキーマカレーがめっぽううまかった。肉のうまみが尋常ではなく、それを山椒が補強してうまみを押し上げていた。食べて正解でしかない。思わず小躍りしそうになった。ぜひともあれでお酒が飲みたい。

 

おなかもいっぱいになり、その後も少し街を歩き、東横線からの夕景なエモみを感じ

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なんだかずもももももと音がしてきそうな立派なモンブランを買って帰路に着いた。

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この日はある意味新居での快適性を決定付ける1日となったので、その結果が今から楽しみだ。しかし勝利の予感しかしない。

懸念通り僕がベッドと一体化してしまった暁にはあなたの寝具として巡り合いましょう。