普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

今や街ブラも極上のエンタテイメントですよ

昨日は久々にきちんと用事のある休みをとっていた。年に一度の腎臓移植に備えた検診の日だったのだ。

毎年行くたびに思うのだけど、気の長い話だなと思う。特にこのコロナ禍である。ただでさえ少ない献体がさらに減っているらしい。

それはそれとして、通っている病院は交通系のターミナルのような作りをしていて結構好きなのだ。

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そういうところって行ったことないけど、なんだか今にも何かが発着しそうな雰囲気ではないか。

特になにも発着はしないので医師と移植のコーディネーターに顔見せ、挨拶しに行ったようなものであると割り切ることにする。

 

適当に病院を終わらせたところでまだお昼前。せっかく出かけたのだから病院と自宅を直行直帰ではもったいない。病院の立地から神楽坂が近いので散歩がてら神楽坂経由で帰宅することにした。

昨日は天気がよく、気候も少し汗ばむ程度とは言え穏やかで散歩日和としか言いようのない1日であった。ここ最近こういう普通のお出かけってしてなかったのでかなり上機嫌で市中をさまよった。

ここ最近、同じ場所を往復するだけの生活が続いていたので、普段行かない場所に行くということはとても新鮮で、それが神楽坂というおしゃんな街ということもあって写真をばしばしとってしまった。勢いで撮ってただけというのというのもあったのでアップするほどのものというのはなかなか撮れていないのだけど。

気になるものがあればふらふらと立ち寄り、写真におさめる。そのひとつがこの神社。

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神社自体は清々しい気持ちでお参りし、さて行くかと敷地出口近くにこのようなものが。

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車が…回転?ローリングってこと?そりゃ敷地内で車にごろんごろんされたらたまらんだろうなとは思いつつ、これ、もしかして転回(Uターン)のことを言っているのでは…?と思ったらその横にこれがあった。

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やっぱり。同じところに張り出してるんだから統一したらいいのになと思うも、車の回転も風情があってよかろうということで敷地を後にした。

 

この日は妻と一緒だったのでお昼についてあれこれと希望を言い合う。神楽坂という街は普段足を踏み入れる街とは毛色が違い、飲食店ひとつとっても気の利いた感じのお店が多い。この街で気兼ねなくスマートに飲食できるようになったらそれはもう生き物として進化したのと同意といえる。僕ら夫婦はまったくそのステージにいけてないのであーでもないこーでもないいいながらうつろに街をさまよった。

ある程度さまよい、路地を入ったところにカルボナーラ専門店の看板が。

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ちょっとわかりにくいかもしれないのだけど、上から2段目、「ミョウガとかぼすのカルボナーラ」とある。これはなんとも意外なチョイス。ぜひとも食べてみたいということでお昼ご飯はこのお店に決めた。

昼ビールなどを堪能し、

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サーブされたのがこちら

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おさらの外縁にちらされているのは胡椒で、こういったところに専門店感を感じる。カルボナーラの定義の中で胡椒を散らすのは重要だと聞いたことがある気がしたので。

肝心のお味はミョウガとかぼすというカルボナーラと遠いところにいそうな具材がからみながらも気をてらった味ということもなくおいしくいただけた。でも見た目よりも量が相当に多く、この日はこの後寝る前くらいまでずっとおなかがいっぱいだった。

僕ら夫婦が量にうろたえている横の席にはおそらく大学生だと思われる女子2人組が後から入ってきて、量に言及することなくすごい速さで完食してお店を後にしていた。若いってああいうことをいうのかな。

量はともかく満足度の高い食事となり上機嫌で街へと戻ったところで思い出した。妻はそんなにカルボナーラが好きでもなかったのだ。その点についてお詫びしたところ、変わり種を頼んだからひとまずはよかったらしい。つぎは妻の好きなトマト系を狙っていこうと思う。

 

その後も街ブラをし、なんだかよさそうな和菓子屋でレモン大福と栗きんとんなどを購入。

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おみやげまで買ってしまって完璧である。

他にもフランスの冷凍食品のみを取り扱うお店などもあり、購入したくて仕方なかったがまだ歩く予定もあったのでこの日はひとまず我慢した。職場からの帰り道の駅なので仕事帰りによって帰ろうと思う。ああいった自分がまったく触れたことのなかった文化というのはやはりおもしろい。じゃがいもカットしただけのものでもなんか料理っぽい名前ついてたものな。

 

こうして神楽坂周辺をさまよい満足し、電車に乗って家路に向かったのだけど、用事を思い出して実はこのあと吉祥寺にもいってしまった。もうフル稼働である。

前まではこれくらい普通のことだったのに、今では相当な特別感をもって街ブラを楽しむこととなってしまったな。

でも日常が大切と気づけたと考えれば案外悪いものでもないのかもしれない。という考え方もありますわな。

コロナに関してはあれこれ気をつけながらまた新たな「特別」を見つけていこう。