普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

"外出したい"と"飲みに行きたい"は違う

今週に入ってからとものすごく良い陽気だ。相変わらず在宅勤務ではあるのだけど、窓際に作業スペースをとっているのですこぶる気持ちが良い。

この時期窓なんて開けた日には吹く風でさらさらと溶けてしまうのではないかというくらいに気分爽快だ。爽快なひとは溶ける。

もう随分前、このくらいの時期に自宅警備に余念がない時期があった。そう、無職である。フルスイングで無職であった。やはり窓を開け、風を受けてさらさらしつつ働きたくないなーかなり真剣に思っていたけれど、そのシチュエーションを味わいつつしっかりと働いているとは。自分も世間も変わるものである。

しかしながらやはりずっと家にいるとトピックというトピックもなく一日が終わってしまう。さすがにそろそろ居酒屋に行きたくなってきた。立場上行くのはまずいので行かないけれど。自宅にずっといること自体は苦痛でもないながらも居酒屋に行きたいのは外に出たいからというより"居酒屋に行きたい"なのである。

そう、場所そのものを求めているのだ。極論、家の中がスイッチひとつで居酒屋に早変わりするとかならそれがよい。居酒屋なので当然料理や飲み物も他人に用意してもらい、運んできてもらう。自宅の間取りを考えると納戸あたりから突然店員さんがわいてくるようなイメージになる。すごく悪夢っぽさのあるシチュエーションだけれど、そこに居酒屋が再現されるのなら店員さんは悪魔でも妖怪でも無機物でも構わない。無機物に給仕されるって悪夢度がぐっと増すな。

居酒屋も行きたいけれど、串カツと焼肉も行きたい。これもまた家での再現性の難しさがあると思う。家で酔っ払いながらじゃんじゃか串カツ揚げるなんて危険極まりない行為が出来るはずもない。そう考えるとよいシステムだな、お店というシステム。

焼肉はギリギリ再現できるかもしれないけれど、肉のクオリティ、焼きに対する妥協は必要になってくるだろう。吸煙もしっかりしてくれて焼肉食べるのにすごく向いている環境を飲食するだけで提供してくれるのだからお店というのは素晴らしい。

なんだかもう日々のトピックスがなさ過ぎて些細なことに感動できるようになってきたかもしれない。めちゃめちゃセンシティブ。感受性豊か。このままではPCにもいちいち感動して仕事どころではなくなってしまう。心を荒ませて鈍感になろう。

 

そんな悶々とした気持ちを抱えながらもそこそこやっていけるだろうとのんきに構えているが、なにやら明日緊急事態宣言の自粛が解除となる地域があるという話がでているらしい。正直すごいなと驚いた。自粛要請って「自粛要請が解除されたから大丈夫なんだ!」って喜び勇んでお外に飛び出して行っちゃうようなひとのためのものなわけで、たぶんそういうひとは「ちょっとなら大丈夫」という理論で期間中も外出しているひとだと思うのだ。

それで感染者数爆あがりしてこれまで以上にしめつけのきつい状態になっていく、ということが想像できる。これってもしかして感染するひとは感染しちゃいなよ、その後は知らんけど。という婉曲したメッセージなんだろうか。そう考えてしまうほどにはなかなか思い切った話ではあると思う。自分で考えるの苦手派のひとたちを減らす作戦か。

自粛要請が解除されたか否かではなく、伝染病が安全圏に入ったかどうかが大事というところを考えれば自ずと行動方針は決まってくるはずなのだけど、「やったー!自粛解除!」のひとはあんまり考えてくれないんだろうな。

 

いずれにせよ、基礎疾患のある身としてリスクは限りなく低くしておくことにこしたことはない。どんどこ家での過ごし方スキルをあげていこうと思う次第です。