久々に用事を複数こなす週末を過ごした。
土曜、午前から区の施設に行く用事があったので週末でありながらもそこそこ早く起きてきびきびと準備を済ませタスクをこなす。区の施設の中でもなんというかあまりメインを張るような施設でもないので昭和感がすごい。古い学校みたいな味わいがある。こういうところで働くひとというのはどういう気持ちで働いているのだろうなどとこの世で最も気にしないでよいことについて思考を巡らせているうちに用事は終了。
この日は事前に妻からとある人物の展示の展示を見に行こうと打診を受けていたので出かけた足で新宿へ向かう。展示はマティアス・アドルフソンというアーティストのもの。DANCE GAVIN DANCE(バンド)のアートワークを長年手がけており、夫婦ともどもうっすら気にかけていたのだ。写真などがあるとわかりやすいのだけどさすがに撮影禁止だったのでDANCE GAVIN DANCEのアルバムでも。
かわいいのだけどどこかシュールな雰囲気もあるテイストが良い。かなり細かく描かれているものが多いのでじっくり見てしまう作品が多い。展示されていたものも同様で夫婦揃って絵に釘付けになっていたところ店員さんに声をかけられる。展示兼販売会場となっていたので「買います?」的な声の掛けられ方にも感じられ、見られれば満足という気持ちで赴いたためなかなか気まずい。ただ、見ているうちに本当にちょっと欲しくなってきている自分はいた。ちなみに価格は2桁万円だ。自分の人生の中で"絵画を買う"という行為に足を踏み入れることがあるとは思わなんだ。しかしこの間ルンバを導入したばかりということを脳内で反芻し「買っちゃいますか」的空気をなんとか乗り越えた。危なかったぜ。正気を保っているうちに「検討します!」と元気にその場を後にした。
展示があったのは新宿伊勢丹だったのでついでにご飯でもとフードのフロアに移動しお店を吟味する。寿司、うなぎ、天ぷら等と”おでかけの外食”といったわかりやすい方向性のお店が多い。そしてランチで気軽にという価格帯ではない。さっきまで2桁万円の絵を買いそうになっていた人間が何を渋っているのかと思われるかもしれないがたぶんこっちが通常のリアクションだ。さっきまでちょっと空気に飲まれてた。
結局そこまで距離もないことだしと、地元駅で前々から行きたいと思っていたパスタ屋に行くことにした。行くたびに営業してないという絶妙な相性の悪さを誇っていたのでこの日も少し心配だったが無事入店できた。
本当はカルボナーラを食べたかったのだけど、ランチでは提供していないとのことだったので海苔とイカと生姜のパスタのペペロンチーノをオーダーした。こういうときは他で聞かないようなメニューをオーダーしてみればそのお店の方向性がわかるような気がする。
セットメニューでサラダでもあれば、と思っていたが、ワインセットがあるのが目に入る。「ワインか…」普段ワインを好んで飲むということはないのだけど気まぐれでオーダーしてみることにした。
久々にワインを飲んだらこれがうめえんですよ。赤ワインの方が好きかなとぼんやりした人生を送ってきたが白ワインおいしい。これは新しい扉開いたな。しかしまあワインもなかなかの沼っぷりであると聞く。注意して沈んでしまわないようにゆっくり近づいていこうと思う。結局パスタが来る前に1杯飲み切ってしまったので追加でワインをオーダーした。ちなみにフリウラーノという白ワインらしい。聞いてはみたけどやっぱり全然知らなかった。
ワインでほくほくしているとパスタが到着。
麺も自家製らしく、角のある麺で変わっているなとは思ったけどきっちりおいしかった。形状だけで言ったらお蕎麦的な。しかもワインと相性がめちゃくちゃよかった。こういう楽しみ方って今までしたことなかったからこれから昼ワインにはまってしまいそうだ。「パスタとワインだぁ?おまえさんなに気取ってんだい」と心の中の江戸っ子が顔を出すが自分の中のマリアージュを探し求めるということで江戸っ子にはお引き取り願おう。あんただって蕎麦と日本酒とかお好きでしょう。
ワインだと少しくらい飲んでもそこまで酔っぱらってこないのが良い。「アルコール度数軽めなのがいんですよね〜」と美容師さんに話したら「ワインは軽くないですよ」と真顔のリアクションであった。普段ウイスキーしか飲んでいないので感覚がバグっていたことを恥じ入る次第である。
最近休日も午後から行動を起こすことが常となってしまっていたがこの日は午前から動いていたので非常に有意義であった。こうでなきゃなということに今更気づいた次第。
それにしても絵を見てパスタとワインの流れってなんだか三軒茶屋に住んでるひとの行動みたいだな(めちゃくちゃ偏見)。中野区民ですまねえです。🍝