普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

帰省における意思決定の外部委託

義実家に帰省をしていた。なんでだか義実家帰省時は天気があまり良くないときが多い。車窓はいつも曇り空だ。

日没間近って感じだけどほぼ正午

そこそこの時間を経て義実家最寄駅に到着。そこからは公共の交通機関不毛の地となるため義弟に迎えにきてもらった。いやほんと毎度申し訳ねえです。

時間も良い時間だし、義弟にお昼ご飯でも食べてもらおうかなと良い具合の店はないかと思案していたところ、妻に着信が。聞けば義母の姉が遊びにきているらしく、義伯母の提案でお昼ご飯を食べに行こうということになったとの由。しかもこの時点で義伯母がお店の目処をつけており2択となっていた。これは渡りに船。

ちなみにこの義伯母、四国在住のひとで、バイクで四国の港まで移動し、フェリーで東京まで船旅の後、義実家までバイクで乗りつけたというなかなかの剛の者である。当然のことながらエネルギッシュなひとで、なんならちょっとキャラ強だったりするが、親しみやすいとても良い人だ。

そんな義伯母から提案されていた2択の中からちょうど行きたかったお店を投げ返す。全国各地にある在野の夢庵みたいなお店で確実にはずれのないガチガチの鉄板チョイスである。最近そういうお店に行ってなかったからめちゃくちゃ楽しみ。

実のところ義弟をご飯に誘おうと思っていた時点で昼酒かっくらってやろうという魂胆はあったので、当然この食事会では酒を煽った。もちろん常識的な範囲内でですけどね。お酒を飲む気満々だったのもあって、他の面々がお寿司とお蕎麦といった様式美を繰り出している中ひとりだけ意味がわからんくらいでかいヒレカツをオーダーした。

これだと全然わからないけど厚さ3センチくらいある

いちおう言い訳しておくと、妻の家系はお酒がまったく身体に合わない家系なので、こういう場で僕だけがお酒を飲んでもいて顰蹙をかうことはない。いや、ほんとなんですよ。

妻の家族はわりと寡黙なひとが多いので僕だけがしゃべりたおしていることが多いのだけど、このときは義伯母がいて、彼女がものすごくしゃべるひとなものだからほろ酔いのテンションでちょうどよいくらいだった。

ゆっくり食事をしていたら15時を回っている。そろそろ移動しようかとやっとこさ義実家へ。おなかもいっぱいだしほろ酔いだしでだらだらと過ごす。そしてびっくりサイズのひれかつはいつまでもおなかの中に居座っている。他の面々もまるでおなかが空く様子がなかったようだけど、夜が更けてしまう前にと半ば義務感で夕ご飯を食べた。

その後はお酒と会話を夜に溶かして就寝。義伯母がいるおかげでだいぶ賑やかな夜となった。酔ってたの僕だけだったけど。

 

明けて次の日。この日はやはり義伯母の提案で牡丹園を見に行こうという話が浮上していたが、入園料に怯み二の足を踏む。そこで思い出される義母、義伯母の実家。バラが綺麗に咲いているらしい。それを見に行こうということになった。お財布に優しい。

義母の実家ってなんて表現したら良いのかわからないけど、まったくの他人の家ではないながらも、こんにちはー!で入れないくらいの距離感はある。しかも今その家に住んでいるのは義母の甥家族なのでより遠い。冠婚葬祭でしか会わないレベルの距離感だ。

とはいえ、せっかくお邪魔するのだからと恐縮しながらもゆっくりさせてもらった。3人の子が育っている家だけあって、歴戦のおもちゃたちが数多く配置されており我らが子はテンション青天井であった。僕ら夫婦よりも子にとってよかったねと思ったくらい。

肝心のお庭だけれども、バラはバラでよかったけど、庭づくりそのものにハマっているらしく、車輪?なんかを入手してきていて非常に映える仕上がりとなっていた。

なんかジブリみがある

この日も夕食とも昼食ともつかない時間にお邪魔した先で会食となりご馳走になってしまった。義母の甥さんやそのご家族と会話はしつつもどのくらいの温度感で会話して良いのか掴みきれないまま義伯母の一声でこの日は解散。今回の帰省、ずっと義伯母にイニシアチブを取られている。でも僕らだけだとただダラダラしてしまうからこのくらいがちょうど良い気もする。

でも、このあと家に帰ってまたけっきょく数時間のまったり(だらだら)タイムを過ごしているので勢いはありつつもやっぱりみんな若さはない。気持ちに身体が追いつかない切なさよね。

そしてデジャヴなんじゃないかなというくらいに前日と同じ展開でお酒と会話が夜に溶けていった。お酒と会話溶かしすぎてなんか生成されるんじゃないか。でもああいうだらっとした会話の時間すごく好きなんだよな。

 

また翌る日。この日に東京に戻るわけなのだけど、またもや義伯母からプランが飛び出した。義伯母の学生時代の同級生が始めたというカフェに行こうという話になったのだ。ほんとに元気だな、このひとは。でもそういうの嫌いじゃないぜ、乗った。

と、威勢よく気持ちは前のめりであったが、準備を済ませて車(義母の運転)に乗り込みお店を向かう途中ちょっと眠ってしまったりした。身体は確実に疲れている。滲み出る老いぼれ感。

そうこうしながらお店に到着。

素敵な外観なのだけど曇り空で不穏に

天井が高いってそれだけで特別感

推しは大人の給食メニューということで、この日はエビチリを給食テイストを残しつつ大人アレンジということだったのだけど、僕はいつまで経っても口が子供なのでついついハンバーグを頼んでしまうのであった。

給食でハンバーグって出たんだっけ

このとき、「わ〜、お米久しぶりだ〜」と言って食べていたが、前日の義母実家でお寿司を食べていたことにこのときは気づいていなかった。義母も義伯母もこいつには米の食わせ甲斐がないなと感じたことだろう。

義伯母旧知の仲の人物のお店であるということで、落ち着いている時間にひととおり会話も盛り上がったところでこの日は解散となった。そしてそのまま東京に戻る電車へ乗った。

 

今回義実家帰省のキーパーソンはやはり義伯母であった。あのくらいぐいぐい引っ張っていってくれるひとがいると行動範囲が広がるというものだ。僕も色々行きたいなと内心思ったりはしているのだけど、行こうと言い出せない。そこを半ば強引にでも引っ張り出してくれる義伯母にやはり感謝だな。今度は義伯母の済む四国にフェリーで訪れるなんてこともしてみたい。