普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

金にならない客と引け目を感じなくてもよいかもしれない

働くことが好きということもないが、今すぐ辞めたいというほどに忌み嫌っているものではない。でも、ふと「あ、無職になりたい」と思う瞬間はある。ここでポイントなのは”仕事をしたくない=無職になりたい”ではないということだ。

人生で何度か無職期間を過ごしたことがあるが、無職のときって1日がのんびりなんだかあっという間なんだかわからないふわっとした感じで過ぎていく。あの感じが味わいたいというのがメインの欲望となる点がただ仕事をしたくないという事との違いである。

でも、今生活に不安のない状態で無職なんかになろうものなら残りの人生あっという間に溶かして秒で人生終わる感覚なのだろうなと思う。最近人生後半に突入してきたなと思っているので時間は大事に過ごさなければ。無職ダメ、絶対。

というような事を仕事をしながら考えていた昨日は出社日。前日からお昼ご飯は決めていたので颯爽と職場を出発。品目は安定のラーメンである。

往路でそのお店のスタンプカードがあった事を思い出す。ラーメン1杯ごとにスタンプがひとつ押され、10個たまるとラーメン1杯無料というものだが、それがちょうどたまっているではないか。昨今1杯800円とかするラーメンをタダで食べられるなんて素敵すぎる振る舞いである。むしろ申し訳なさすら感じてしまう。お昼時の忙しいときに金にならない客だものな。

そう思ったが、長いスパンで見れば11回(8,800円)のうちの1回(800円)が無料になったということは、8%引きで11回のラーメンを食べた事になる。だいたい1杯730円くらい。常連として通うのであればちょうど良い割引率のような気もする。いや、そうに違いないと思う強い心でスタンプカードを差し出し無料ラーメンをゲットした。

最近この手のラーメンも値上がってるよなあ…

こういった細麺とんこつは替え玉する前提みたいなところがあるが、僕からすると少ないくらいでちょうど良いのでひと玉で満足し店を出た。感覚で言うと回転寿司を3皿くらいだけ食べるみたいなことだ。

満足しながら職場へと戻る。職場への帰り道、じゃがポックルを大量買いしている外国人カップルを見かけた。たしかにじゃがポックルはおいしいけど、二人で10箱は買っていたというのはただ事でなさを感じた。郷里でじゃがポックル屋でも始めるのかもしれない。

ちょうどよい腹具合で午後の仕事をこなし勤務終了。この日は子の迎えがあったので急ぎ外にでると傘をさすひとびとが目に入った。「おいおいおい、聞いてないぞ…」と騙し討ちを喰らったような心持ちになったが、そもそも天気を確認していないのでただの無計画おじさんなのであった。雨サイドからすれば聴かれてないからね、である。

幸い子の迎え時にはほぼ雨は降っておらず難を逃れる事ができた。と、思ったら今日元々雨予報じゃなかったはずなのにけっこうがっつり雨が降って雨の中のお迎えとなってしまった。この雨から逃げられなさ、昔のファミコンゲームのタイムアップになると延々追いかけてくる火の玉っぽさがある。マリオとかじゃじゃ丸くんとかのあのあれ。

雨の日の送り迎えって本当に憂鬱。これからの時期、菜種梅雨となるので気が滅入る。ラーメン屋のスタンプよろしく、雨も10回降ったら1回完全に濡れない雨とか降ればよいのにな。それを雨というのかは謎だけど。