普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

プルドポークって言われもピンとこないかもしれないけど割ける洋風角煮的なことです

勢いに任せてプルドポークを作った。

残骸っぽいけど完成品

ご存じない方に説明しておくとアメリカのBBQ料理で、しかも三大BBQ料理ということらしい。(残り二つはスペアリブとブリスケットの由)詳しくはWikipediaご参照くだされ。

 

ざっくり言うと洋風の豚の角煮を崩した食べ物である。こう言うとなんだか良さが全く伝わらないような気がするけど、非常に美味。

少し前に近所の喫茶店でプルドポークサンドといった形態で提供されていものを妻が食べたことにより初めて知った。アメリカではど定番もど定番らしいけれども全然知名度が低い食べ物だ。ただ、そこを考えると日本の納豆だって海外のひとたちはあまり認識していないようなのでそんなものと言われればそんなものかもしれない。納豆がどういう食べ物か知ったら海外勢はいったん硬直するのだろう。それに比べれば知らないだけで実にすんなり「食べたい」と思える食べ物である。

たまにこういったよそで食べたものを家で作りたくなる。しかもプルドポークに関しては肉塊を調理するということに非日常を感じられるし、なんだかテンションがあがる。だってほら、これですよ。

1.2kgある。賢さをかなぐり捨て、この肉塊を可愛がってやるのだ。

まずはフライパンで調理しやすい大きさに切り分ける。少し勿体無い感じがするけどレシピにそうしろと書いてあったので素直に従う。指示待ち調理。

別にそのまま取り扱ってもよかったのかな

これにスパイス(パプリカ、クミン、ニンニク等)を揉み込んでいくということなのだけど、チリパウダーにはその手のものは大体含まれているので横着してパウダーを揉み込んだ。

紅に染まったおれ

「あー、紅の豚だなー」と思ったけど口に出してしまったら家庭内不和が生じること請け合いだったのでぐっと飲み込んだ。こういった類の発言を我慢できなくなったときが自分の中の若さが完全に死滅したときということなのだろう。

余計なことを言わないうちに次の調理工程へ。表面を全体的に焼く。

これを2ターン。別の料理としておいしそう。

ザ・BBQ的な見た目であるが、今日はここで食べてしまいたくなる気持ちを堪えてさらに手を加える。鍋でBBQソース的なもので煮込むのだ。レシピによるとケチャップ、ニンニク、ソース、醤油、たまねぎやらを合わせたものとある。

それって要はこう言うことでしょ?

黄金すよ、黄金。

レシピを調べているときにエバラのサイトに行き着いたときには膝を打った。なるほど!そうですよね!と。前述したものが大体入っているし、名前こそ「焼肉のたれ」とされているけれども要はBBQソースだ、これは。いやいや、怠けさせてもらってしまってすみませんなあと1瓶全てぶち込んだ。

この汁うっめえんですよ

ちなみに焼肉のタレと水を同量、それにケチャップを適量という指示だったが、肉が浸るくらいに水分が欲しいということだったにも関わらず少し足りなかったので水を少し足し、薄まってしまった分はソースを追加した。ソースもさまざまな具材を手間ひまかけておいしいものにしたタレなのだから問題なかろう。あの手間かけているものがあの値段で売っているのって冷静に考えるとすごいな。

そして煮込むこと2時間。

地獄っぽさのあるビジュアルになってきた

結構いい具合なのではと眺めていたところに妻がが現れ「味見させてー」と言うので小さめの塊を食べてもらった。リアクションは上々。よし、そろそろ頃合いだ。

磯のようだ。塊の裏にカニとかいそう。

これをフォークで割いていくのだけど、じっくり煮込んだとはいえ結構大きい塊だし本当に大丈夫なものかと思いながら引き上げ作業をしたところ、持ち上げただけで崩れるほどに柔らかく煮込めていた。これは…勝つぞ…!!

いざ、プル!

おっほー

力をかけなくてもなくどんどこ割ける。この感覚はもはや”ほどく”という感覚である。肉をほどくなんて日常でなかなかない。我ながらこりゃええもん作ったなあと思いながらほろほろと肉の繊維を積みあげた。

で、冒頭の写真というわけである。

もう一回載せちゃおう

ここまでできたところで透析に行かなければいけないのでまだ味見程度しか味わえていないけれども、「勝利」そのものの味であった。今夜の晩酌が楽しみすぎる。

肉が美味しいのは言うまでもないが、実は見逃せない伏兵がいる。

なんか色々染み出している汁

煮込んだこのスープだ。これを味わわない手はない。みんなどうしてるのかとさらっと検索してみたところ、これでカレーを作ったりすると良い塩梅らしい。なるほど、確かに。あとは妻に相談したところ野菜を足してそのままスープにするのもありだよね、という話になった。じっくり味わおう。

完成したプルドポーク、パンに挟んだりご飯にオンしたりその食べ方は変幻自在だ。冷凍もできちゃうし作り置き料理としても優秀すぎる。

今回は色々手を抜いてしまった感じはあるけれども、ハーブなどにこだわって煮込むスープをアレンジしてみるのもありかもしれない。

一応材料書いときましょうか。

・豚肩ロース 1.2kg

エバラ焼肉のタレ 200mlくらい(一瓶)

・水 300mlくらい

・ケチャップ 大さじ5くらい

・ソース 5回しくらい

よほどのことをしなければ大概おいしくなると思われます。あなただけの味付けを見つけてね!と、昔のゲーム攻略本方式「全部教えてくれんのかい」で本日はこれにて。