普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

売るんかというくらいMDを持ち歩いていた

今週のお題「カバンの中身」

最近は特に変わったものは持ち歩いていないなあとスルーしていたが、急に思い出した。今のことではないけれど、以前必ず持ち歩いていたものがあった。

懐かしきオールドメディア

今や「あったよねー」くらいの存在になってしまったMDである。これを持ち歩いていたのだった。当時バンドマンとしていつでも好きな音楽に触れていたいという思いからポータブルMDプレイヤーを持ち歩いており、好きなアーティストをMDに録音し取っ替え引っ替え聴いていた。

今ならスマホだのポータブル音楽プレイヤー1台で様々なアーティストを聴くことができるが、MDはそうはいかない。容量ではなく録音時間で縛りがあるのでせいぜいアルバム1枚分しかMD1枚に収めることができない。写真のMDでいうと印字されている80、すなわち80分録音が可能ということである。それでも大体のMDは74分だったのでこのMDはほんの少しだけお得。

前述の通りいつでも好きなアーティストをそのときの気分で聞きたいという気持ちと、いつなんどき気分が変わるかわからないからという理由でいちばん持ち歩いていた時はMD20枚くらい持ち歩いてたんじゃないかと思う。かばんの中MDでいっぱい。というかMDしか入っていない。行商か。

しかしまあこのMD、僕ら世代(1980年前後生まれくらい)には相当に思い出深いものだと思うし、まず画期的だった。CDに準ずるものが自分の手で編集できるという部分が特に。MDが普及するまでは一般家庭にある録音媒体といえばカセットテープくらいなものだった。

カセットテープもある

このカセットテープ、その名の通りテープなので取り扱いによってはびろんびろんになる。MDの前はポータブルカセットプレイヤーを持ち歩いており、カセットテープの卸しのひとですか?というくらいにテープをかばんに詰めて持ち歩いていたのだけど、持ち歩いている間にかばんの中でテープがゆるんではみだしていたりして、下手すると絡まっちゃたりなんかして使い物にならなくなったりしていたのだ。メディアとして脆弱すぎる。レスキューが可能なときはテープを巻き直すのだけど、巻き直すときに三菱鉛筆を使うと具合が良いというのは中年ならわかるーとなるところだと思う。

全体的に若いひとは読んだらなんのことやらという内容になってしまったが、カセットテープに関しては”逆に”の意味でリバイバルしているとことではしているとの噂を聞いた。確かにレトロ感がかわいいというのはわかる。僕らの世代が”逆に”レコードと言っていたのと大差ないのだろう。

しかしながらMDはどうだ。少なくとも可愛くはない。リバイバルの芽は今の所あるよううには見えない。ただ、僕がアップした写真がたまたま無色のものだったからいけないというのもあるのだけど。カラーバリエーションは結構あって、プラモデルの蛍光色のパーツみたいでそこはちょっとよかったような気がする。F91ガンダム)のプラモのビームシールドみたいなね。また話題が昭和生まれになってしまってすまんです。

いまどきかばんの中身がMDやらカセットでぎっしりだったら狂気でしかないので結局デジタル化、サブスクバンザイみたいな話になってしまうのですな。でもいつでも好きな音楽を聴きたいからっていう情熱だけで行商スタイルがスタンダードだったというのも時代とはいえよかったのかもしれない。

オールドメディア、ツーショット リバイバルのカセットをひそかに妬むMD