普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

うに豆腐という刺客

食に関してはわりと攻めの姿勢で向き合うように心がけている。世の中自分の知らない食べ物がやまほどあり、その味を知ることがないまま人生を終えてしまうのはあまりにもったいない。ちょこちょこ顔を出す僕の中の貧乏根性のひとつであると言えるだろう。

あまり良くない傾向なのかもしれないけれども、他人が知らないものを食べていて、絶賛しているようなものはすぐ食べたくなる。最近YouTubeさまぁ〜ずチャンネルをよく見ていて、そこで紹介されていた"うにのようなビヨンドとうふ"と呼ばれるものもまんまと食べたくなってしまった。

実をいうと近所のスーパーに売っているのは以前から知ってはいた。知ってはいたのだけど「ふ〜ん、うに豆腐ねえ…まあうにとはほど遠いんでしょうな」と素通りしてしまっていたのだ。食に関して攻めの姿勢とか言っておいて思い切りスルーしてしまっているのもどうかと思うところではあるが、さまぁ〜ずチャンネルで紹介され、高評価を得ているのを見て手のひらを返した格好である。率直に言ってさもしい。お恥ずかしい限りで。

ただ、購入したのは僕ではなく妻であった。あっという間に影響された僕の心を見抜いて買ってきてくれたのだろう。さすがである。ひと喜びして週末の楽しみとしてひとまず冷蔵庫で保管することとした。

そうしてやってきた週末。食卓にうに豆腐が舞い降りた。

豆腐界随一のシズル感

さまぁ〜ずの評価では「おー!うにだ!」という言葉も出ていた。期待が高まる。

いや、君は豆腐では

見た目としては結構うにに寄ってる部分もあるかなとは思うが、そこは期待値を上げすぎているからそう見えているだけで、結構豆腐だ。空気に飲まれているな。

なにはともあれいざ実食。

食べた感想を率直にいうと「うにではないなあ」というのが正直な感想であった。しかしそれはあまりマイナスな感情ではなく、こちらから歩み寄ればうにといえばうにかも、くらいにはうにだ。無遠慮にうにっぷりをアピールしてくるかと期待してしまっていたがさすがにそのようなことはなかった。ただし、食べ物としてレベルが高いものであるのは間違いない。きちんと美味しい。たぶんまた買うと思う。

世の中、豆腐丼という好み、評価がわかれる食べ物があるが、このうに豆腐であれば豆腐丼ウェルカムである。むしろ食べ方のお作法として推奨すらできる。なによりうにをこの量食べたら明らかにギルティであるが、このうに豆腐であれば無罪だ。尿酸値高めの方も安心。

このうに豆腐、そのまま食べても美味しいのだけど、調味料としても使えるらしい。いわゆるうにクリームのパスタ風みたいなこともできるというわけだ。いいやつじゃないか。

またひとつ知らない食べ物を味わうことができて本当によかった。ありがとうさまぁ〜ずチャンネル。ありがとう妻。

ただ、世の中には食に関して保守的なひとというのは結構いるもので、そういうタイプのひとはあまりこの手の商品は手に取らないと思う。そのことから考えると早くに終売してしまう可能性があるので早めに2回目をいっておこうかなと思う。

食べ物としておもしろくて美味しいという優等生なのでみなさまも是非食べてくだされ。