普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

2代目寅さん討論会

男はつらいよシリーズといえば言わずと知れた国民的映画である。渥美清演じる寅さんが様々な人物と触れ合い、その人間模様に泣いたり笑ったりする物語である。作品数も相当なもので正確には知らないけれど、50作品くらいあるようだ。

ドラマの話数だとしても相当に多い。1クール10話くらいなので5クール。1年以上続けないとこの数字に満たない。それを映画でやっているのだから単純にすごい。色々な意味で今の時代では考えられない。

主人公である寅さんこと渥美清が亡くなったのは1996年。今から30年近く前だ。寅さんといえば渥美清であり、なんなら役を演じていないときであっても渥美清は寅さんであらねばならないこともあっただろうと思う。そのくらいに渥美清と寅さんは渾然一体であった。

その渥美清が亡くなった今、男はつらいよシリーズの続編は作られることはない。渥美清以外の寅さんというのは考えられないのだ。

だけども。だけれどもですよ。仮に、仮にね、今の時代に男はつらいよシリーズが制作されることとなったときに、寅さん役って誰が演じるんだろう。そんなことを昨日定年派遣おじさん、飲んだくれ姐さんと討論した。

寅さんってそもそもイケメン枠ではない。それを考えると今の時代の俳優はイケメン揃いすぎるのでなかなか寅さんを演じることを想像できない。顔が整いすぎている寅さんでは話が入ってこなそうだ。カッコ悪い姿を演じていても「あー、はいはい、イケメンのこんな一面見せちゃいます的なやつね」と、そねみ人間となり爪を噛むことになる。おじさんと姐さんとの話でもその部分は概ね一致している見解であった。

誰だろうなあとうんうんうなっているうちに姐さんがぽつり

「ムロだ」

おお、ムロか!ムロかもしれない。整いすぎていない顔、カッコ悪さの似合うキャラ。確かにムロツヨシはいい線いっているような気がする。誰が演じても絶対に全員が満足することはないのだろうけど、ムロツヨシであればある程度の人数納得しそうだ。

あー、いいですねえと結論はムロと話を締めようとしたところ、おじさんからも提案があった

濱田岳では?」

なるほど。その線があるか。ムロに比べると少し顔面力があがってしまうのでその点においては微妙かもしれないなと思ったが、彼には釣りバカ日誌のハマちゃんを演じたという実績がある。しかも好評価だ。まず演技が上手。これこれでありかもしれない。

2代目寅さんはムロツヨシ濱田岳。最終的に候補はこの2人となりこの議論は幕を閉じた。途中、大泉洋の名前も出たが、コメディのイメージはあるものの、そもそもカッコ良すぎるし、カッコ良い上でのコメディ要素なのでその点はいただけないよねと却下となった。大泉洋も抜群にイケメンってことはないのだけど、寅さんとなるとなんか違うんだよな。

こういうもしもの話って無責任に勝手に話ができるので楽しい。特に飲んでいるときのこの手の話は酒の肴として最高だ。男はつらいよの新作が撮られることも、ましてや渥美清以外が寅さんを演じるなどということもないだろうけど、ひとそれぞれの2代目寅さんがいていいだろう。

みなさんの想像する2代目寅さんはいるだろうか。と、若干のいかがでしたかブログ的な締めで本日はここらでおいとましやす。