普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

肩の良い無法者

コロナに対して過大に警戒もしていないし、過剰に油断もしていないと自分では思っている。そのような考え方をもってしてもここ1、2週間は感染者数の増えがえげつないこととなっており、ちょっと油断したらすぐに罹患しそうな勢いだ。症状を調べてみるに風邪っぽさがあるのは確かなようだが、罹りたくないことには違いない。そんなことから先週末は人ごみを避け、おとなしくしておこうという判断に至った。

しかしこれがまあ家に居続けたらなにをするのかというとドラクエをひたすらやり続けるというおよそ四十路らしくない過ごし方になってしまう。いや、別にいいっちゃいいとは思うのだけど、なんだかなあ感は払拭できない。

人ごみを避け、なおかつ新しい何かに触れることができる可能性がある行動で最もお手軽な方法は散歩だ。しかもしらない道を散歩。たとえ住宅街の散歩であっても知らない道をふらふらするだけでツッコミどころのふたつやみっつは出てくるものだ。

そう思い夫婦で外出したところ、家の近所でいきなりボケ倒した光景に遭遇することとなる。

f:id:takian2000:20220124204328j:image

もうちょっと寄りましょうか。

f:id:takian2000:20220124204350j:image

消火器ですよ、消火器。いわゆる都市河川として整備された川なので、歩道から川までは柵越しに3メートル以上の高さ、そして距離もそこそこある。そこに消火器を投げ入れたのではないかと思われる。無法者もいたものである。

一本でもあちゃーとなるところが、消火器設置箇所ごとに続けて三本連続で投げ入れられていた。この無法かつ無頼な行動、正気の沙汰ではない。ただ、かなり狭い川幅なのにすべての消火器をきちんと川におさめてあるのはちょっとすごい。良い肩してるじゃねえか。そういうのはぜひスポーツなどで昇華していただきたいところである。出来事に対してどう向き合ってよいかわからずひととおりおろおろしていたところ、消火器はいつのまにか回収されていた。ありがとう、きちんとしたひと。

消火器クライシスを乗り越え散歩を続けていたところ、良い具合に本気で知らない道を歩き始める。道もまっすぐではなくゆるく曲がりくねったりしていて気を抜くとすぐにどちらに向かっているかわからなくなってくるタイプの道だ。こういった道が街角散歩の真骨頂である。

なにかを見るようでなにも見ていないような、そんな即身仏への修行のような心持ちで歩みを進めていたところに現れたこちらの光景。

f:id:takian2000:20220124210249j:image

電柱のそこまで低くないボルトのところに手袋がかけられていた。妻とこれはモズの早贄だね!などとはしゃぎつつ写真を撮っていたところ、後ろから聞こえてきた足音はこの早贄のすぐ後ろの建物に消えていった。めっちゃ気まずかったっす。妻と一緒にいたのがまだ救いではあったけど、ひと気の少ない路地で上のほうに向かって写真撮っているなんて怪しすぎる。路上観察というのは心の強さも必要なのだなと痛感した次第だ。まあ確かに何の前触れもなく前を歩いているひとが写真撮り始めたらびくっとはするな。

先ほど良い具合に知らない道、と言ったが本格的に迷子のきらいが出てきたのでイカした文明、Googleマップを使い方軌道修正をはかった。道迷いに優しい現代、最高じゃないか。

そうして散歩にも満足してきたのでおやつを買って帰路についた。おやつは朴訥としながらも清らかなる存在、すあま。

f:id:takian2000:20220124175132j:image

ラブリーな見た目からは想像もできないほどにぼんやりしたお味だ。しかしそれがよい。というかこういうのが良くなってきたという部分はあるのかもしれない。年齢か。

散歩を楽しみ、すあまを嗜む。老人ぽさが見え隠れする週末であったが、こういうのが良くなってくるんですなー。

みなさんもよきすあまライフを!