普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

たぶん宣言してとかしてなかったけど、とりあえず成した

週末に上京してから10年以上も住んでいたマンションを訪れた。

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ただそれだけであればちょっとしたお出かけであるが、今回はいつもとは事情が違う。

自分の運転する車で現地へ赴いたのだ。まあレンタカーですけど。それでもこれは僕にとっての大きな出来事であることに揺らぎはない。

せっかく取得した免許をただの身分証とするようなことは後悔しか生まないぞという妻からのアドバイスを受け、運転の感覚を忘れる前にいっかい行っときますか的な軽いノリでレンタカーを借りたのであった。

しかし、軽いノリで運転して事故でも起こしたら笑えないどころか一生真顔で過ごさなければならなくなるので運転熟練者に同乗をお願いした。これでまずセーフティレベルをひとつあげることとする。

そして目的地は特に決まっていなかったのだけど、レンタカー屋から以前住んでいたマンションまでは大きな道路をぼまっすぐ行くだけ、言ってみればカーブを2、3回するだけで到着という田中角栄方式をとることができることに気付く。これによりもう一段階セーフティレベルをあげた。これでおいそれとぶつけたりこすったりはなかろう。

そのような心の余裕を作り出して走り始めてしばらくたったころ、何がどうなってそんなに進まないのか理解不能な渋滞に巻き込まれる。

まずい、このままでは目的地に到着できないどころか運転がまともにできない。そんな微妙な結末を察してくれた熟練同乗者がカーナビの地図をちょちょいといじり「こっち抜けられそうですし、行っちゃいますか」と提案。ほう、そのような手があるのかねと経験者の感覚を全面的に信用して街道をそれることとした。

結果、あまり広いとは言えない道だったりあまり東京っぽくない道を走ることとなり、もうそれはそれはいっぱい曲がった。ハンドルをぐるぐると回しまくった。こうして田中角栄方は失敗に終わったのであった。しかし結果としては良い経験となったので結果オーライである。

都心から離れればそれなりに交通量も落ち着いてくるもので、目的地近くでは「ああ、運転してるな」くらいの感覚を持てる程度にはスムーズに進むことができた。

そうして到着したのがかつて過ごした思い出す出来事によっては変な汗の出てきそうな思い出深いマンションである。

住み始めたときも、住んでいる最中も、このマンションを離れてからだって、この場所に自分で車を運転して訪れるなどとは微塵も考えたことがなかった。これぞエモーショナル。

これはひとつの出来事を成し遂げたと言ってもよいのではないだろうか。なにをどう成し遂げたのかと言われると説明しづらい部分があるというか実際何も成し遂げてないんじゃないのかなという気すらしてくるが、こういうのってのは心意気みたいなところありますから。ご祝儀成し遂げってことでひとつよろしくお願いいたします。

到着したこと自体は喜ばしいし、テンションはあがったのだけど、レンタカー返却の時間までに余裕がなく、そそくさと写真だけ撮って秒速で撤収をした。周りのひとからしてみたらさぞかし不審であったであろうも思う。お騒がせしてすいやせん。

ひとまずの目標を達成した帰り道、道もスムーズに流れ、往路と比べものにならないくらい早く目的地まで到達することができた。

今回は熟練者が同乗してくれていたということもあり、運転の楽しさを存分に味わうことができたと思う。教習所の教官も熟練者なのだけど、変わったひとしかいないし仕事とはいえめちゃくちゃ細かいことを変な詰めかたしてくるから運転しててくさくさしてしまっていた。

運転自体は楽しくできて、好きなことなのだ!ときづくことができたのも今回のドライブの収穫であったと言えるだろう。

また近日中に車を借りてこようと思う。

でも新しいことするときは絶対ひとに頼る。