普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

前人未踏の領域に踏み込んだという部分は評価対象なのでは

少し前にスーパーで見かけて一蘭カップラーメンを購入していた。

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僕はまったく知らなかったことなのだけど、どうやら話題沸騰であったらしく、YouTuberが取り上げていたり転売されていたりとなかなか賑やかなことになっていたらしい。

それというのもやはりその価格設定というのは無視できないポイントとなっていたのではないだろうか。物珍しさから手に取ったので細かい値段まで覚えてないのだけど、500円近くしたと思う。カップラーメンとしては常軌を逸脱している値段であると言えるだろう。

ただ、一蘭は店舗で食べてもこの手のラーメンとしては結構強気な価格設定であるため、ブランディングとかそういった面からカップラーメンにしたからといって安売りしない方向なのかなとわりとすんなりとその値段を受け入れていた。

なんとなく買っておいていつか食べようと思い放置されていたものを週末に発見。小腹も空いていることだしと妻と分け合って食べることにした。パッケージを眺めていたところこんな文言が。

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「あえて具材は入れておりません」

「あえて」である。まあカップラーメンの具材にあまり期待しているわけでもないし、あってもなくてもそんなに変わらんかなとこの部分に関してはそんなに気にならなかった。具がないということ自体は。具に中途半端にお金をかけるくらいなら屋台骨である麺とスープに可能な限りリソースを使ってもらった方が良い。

でもわざわざ「あえて」と言ってくるあたり、一蘭ぽさというか、なんというか。鼻につく感じってないですか。それもキャラといえばキャラだし、ちびまる子ちゃんの花輪くんみたいなもんなのかもしれない。

準備を整えてお湯を注ぐ前の姿がこちら。

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素ラーメンだなあ以外の感想がなかなか出てこない。マルタイの棒ラーメンカップになったら同じような構成になるかもしれないので何かの際は仲良くやっていただきたい。出自は違えど同じフィールドに生きるものとして。

いざ実食とあいなるわけなのだけど、肝心の完成写真を撮るのを忘れてしまった。まあパッケージの通りなんですけどね。具もないからほんとにそのまま。強いて言うなら辛いたれを垂らしてないからコントラスト低めの白成分多めの食べ物である。

肝心の味なのだけど、僕個人としてはおいしいと感じた。カップラーメンとしてはとても良くできている。他のとんこつを騙ったカップラーメンとは雲泥の差であると言える。方向性も一蘭方面であることは間違いない。ただ、本家と誤差程度と言えるほどに味は近くはなく、石田純一小石田純一くらいの距離感が妥当だろう。

ありなひとにはあり。でも本物ではないよねと。そのあたりの感じだと思う。石田純一のディナーショー(そんなものがあるかはともかく)をふだん楽しんでいるひとがいるとして、そのチケット代を払う際に半分近く、もしくは三分の二ほどの価格で小石田純一のディナーショーを見に行くかという話である。前提は根っからの石田純一のファンとして。なかなか厳しいものがありそうだ。

ただ、小石田純一のファンは一定数必ず存在すると思うので、同様に一蘭カップラーメンをそれそのものとしてリピートするひとはいるのかもしれない。

ちなみに僕は300円くらいまでならまた買うけど同じ値段をもう一度出すのはちょっと抵抗あるかなといったところ。このあたりはひとによってだいぶ意見が割れそうだ。

それにくわえて食べている最中に妻から

「なんかブタメンっぽいね!」

と言われ、そう言われれば確かに方向性は一緒かも…と思いつつも一蘭の看板を背負っている商品であること、安くはない品物であることという前提からかなんだかよくわからないけれど、必死で一蘭のフォローをしてしまった。でも確かにブタメンぽさあった。

こうなってくると一蘭がどうというよりブタメンがすごいのではと言う話になってきてしまう。ここはひとつ「一蘭カップラーメンを食べた」という事実だけを胸に次回同じような案件が発生した時に備えておきたい。

まえに一蘭のチルドみたいな箱のラーメンもあってそれも気になっていたのにそのとき買っていなかったのが悔やまれる。今回と同じような調子だったんだろうか。

一蘭は基本的に好きだし、おいしいと思っているのは間違いないのだけど、味集中カウンターとか、その他もろもろの(今回のあえて具なしと言ってるのも含めて)すべてから、どこかこう…胡散臭い商品を売るセールスマンの口上のようなものを感じるのだ。いや、好きなんですよ?一蘭は。20世紀少年に出てくる万丈目胤舟の過去みたいだなとかこっそり思ってたりはするけど。

とにかく、一蘭カップラーメンについては良い経験でした、とけむにまくくらいしかできないこで次回でまた高額カップラーメンが発売されたら喜び勇んで食べようかと思います。