普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

夏休みの補習のようなひとときと仮免おじさん

この間の連休のことになるのだけど、ついに仮免試験を合格した。正直な話、めちゃくちゃ自信がなかったので一安心だ。

それというのも仮免試験前に効果測定という模擬テストみたいなものがあるのだけど、その効果測定に5回連続不合格という実績を叩き出していたということがある。

教習所へ通うスケジューリングを失敗して学科だけ入所3日くらいですべて受講し、技能実習をすべて終わらせてから効果測定を受けたため、学科で習った内容をほぼ覚えてなかった。

なんかなんとなくいけるんじゃないかなと思ってほぼ予習もせずに受けたところ、いける要素がひとつもなかった次第である。何をいけると思ったのか当時の自分を問いただしたい。

それでも効果測定はペナルティがあるわけでもないし、10回くらいまで連続で受けられるようだったので数をうてば当たるんじゃないかなというまぐれ当たり狙い丸出しで厚顔無恥に連続で挑戦しまくった。なんなら最後の方とか問題の内容とかほぼ見てなかったくらいである。

そういう経緯がありつつも効果測定は合格、技能の見極めも合格して仮免試験の権利をゲットしたわけだけれども、当初は仮免試験というのは技能しかテストしないと思っていた。

しかし、時間の指定が11:30〜15:30と指定され、「そんな長時間なにすんの?」とすっとぼけた思考が頭を駆け巡った直後「は!学科もテストあんのか!」と当たり前の事実に気づき動揺することしきりであった。

効果測定の悪夢を繰り返してはならない。さすがに真面目に勉強しようと試験前日、途中まではお酒を飲まず問題集を繰り返しこなし、途中からはお酒を飲みながら問題集をやっつけた。

真面目に取り組んだおかげで問題の出題のされかたに慣れ、問題の意味をとり違えることがなくなりミスが減って及第点に届くようになってきた。最初から真面目にやんなさいよという話であるが、お尻に火がつかないと真面目に取り組めない一派の人間なのでたぶん一生こんな調子なのだろうな。

 

そして迎えた試験当日。技能のコースの説明などを少し受けたあと、他の教習生と3人ずつにわかれて同じ車で試験を受けることとなった。

ひとりが試験を受け、ひとりは後部座席へ、あとのひとりは待合所で待機。

最初じゃなければひとまず様子は見られるなと安心していたら、これまた当然のように最初にあてがわれてしまった。いらんところでばかりいらん引きのよさが発動する人生である自覚はあるが、今日もその日でしたかとすごすごと車に乗り込み試験を開始した。

しかし、実は技能は少し自信があったのだ。試験前の見極めのときの講師から「社内の試験は落とそうと思って採点してるわけではないから」といわれ、授業終了時「これなら全然いけますよ、安心してください」と言われていたのだ。

しかしそこは本番に弱い男。あれこれ不備があり、しかも終わった後にそれに気づいてしまうといういちばんモヤモヤする結果となってしまった。あー、これは落ちるかも…と学科の試験に移る前、少しの空き時間に所内で休憩していたら、なんだかすごく学生時代の夏休みの補習を受けているような気持ちがむくむくと湧きおこってきた。

夏の暑さ、青い空に強い日差し、だんだんとぬるくなってくるペットボトルの麦茶。そして窓の外の遠くに見える電車。

学生時代にこんなシチュエーションがあったわけではないのだけど、なんだかよくわからないながらもそのひとときがこの夏の思い出になるように思えた。

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そうこうしているうちに学科テストが開始。勉強の甲斐あって問題の意味がきちんと理解できた。見直しまでしてしまったよ。学生時代だってこんな真面目にテストに臨んだ事はない。

 

結果は冒頭に書いたように合格。これで死ぬ可能性、ひとを殺してしまう可能性両方の確率がこれまでの人生よりあがったというわけだ。本気で気をつけよう。

 

それにしても、標識なども必死で覚えたので、ふだん道を歩いていても標識の意味がわかるようになってきた。

左折の一方通行のすぐ一本先の道路で左折禁止があったりとかして、これ実際車に乗ってたらそうとうあたふたするなと運転に一抹の不安を覚えるのであった。

しかし街中の風景の中の理解できるものが増えると暮らしの解像度はばつぐんに上がるものだ。

免許取得を介してそんなことも思えるなんてお免許講習お得。