普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

マヤンの呟きの箱は超熟専用ケースだった

職場の同じ島で働いているひとが今月末で退職するのだという。正直なところてきぱきと仕事をこなすタイプのひとではないのだけど、ひとのよさがにじみ出ている感じの良いひとなだけに退職は残念だ。

退職者へのせめてもの気持ちということでプレゼントを送ることになり、その担当に僕が選ばれた。なぜよりによって僕が…

僕はプレゼントを送るのがものすごく苦手で、どれくらい苦手かといえばスポーツをまったくしないのに野球の方がまだ得意ですといえるくらいにはプレゼント選びが苦手だ。

そうは言っても任されたのだからやるしかない。本当は直接「何が欲しいですか?」と聞いて選びたいくらいなのだけど、それではさすがに情緒がなさすぎる。世間話の延長で日々の生活、好きなものなどを聞き出し、なんとか目星をつけることができた。

氏はそば焼酎を日々飲んでいるのだという。雲海という焼酎が好きで、酒としてというよりも飲み物としておいしいという理由から常飲しているそうだ。これはなかなかコアなファンである。

そば焼酎は微妙に守備範囲外だけど、焼酎ということならある程度味はわかる。あれこれ調べた結果、同じ酒造の「マヤンの呟き」というものがおいしそうだしプレゼントにも相応しそうだった。

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瓶、めちゃくちゃかわいくないですか。色も緑で綺麗だし。

というかなんでひとにプレゼントするもの開けちゃってるのと疑問におもわれるだろうが、これは自分用に買った私物だ。万が一味が微妙だったらあいつわかってねえな、などと思われてしまい、ひとりよがりのプレゼントになってしまうので味を確かめるために買って飲んでみたのだ。

そしたらきっちりおいしかったのでやはりこれをお送りするしかないなと自信をもつことができたのだった。風味は豊かだけどまろやか。ありきたりな表現だけど「良いお酒」といった感じだ。個人的にはもっと癖があってもよいくらいなのだけど、そうなるとひとを選ぶ可能性があるのでこれくらいがちょうど良いだろう。

予算的にはまだ余裕がある。せっかくなのでこの焼酎を飲む酒器などもプレゼントできたらなんだか気が利いた感じのプレゼントにできるのではないかと思い、インターネットの海をばしゃばしゃと泳ぎまくった。

でもお酒は下地があるからよいけれども、気の利いた酒器などといったものは選ぶ自信が全くない。ネットの大海で溺れる寸前辿り着いたのがこれだ。

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もうだめ、これが限界。と、同じ島のひとたちに投げかけたところ審査を通ったのでお酒とグラスのセットで手打ちとなった。

相手の気持ちを察する能力が低いことがプレゼントを送るのが苦手である原因なのだろうなと思う。そういう部分て大人になったからってどうにかなるものでものないのですな。

 

プレゼントはきまったのであとは私物として買った焼酎をがっつりやるだけなのだが、空き箱を眺めているうちに天啓を得た。

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まあ箱ですわな。

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超熟ですよね。

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お?おお?

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なんと!すっぽり!ぴったり!

箱に超熟をおさめる瞬間を妻と固唾を飲んで見守り、ジャストフィットにすっぽりおさまったときには抱き合った。

マヤンの呟きの化粧箱は超熟入れだったのだ。

 

これはプレゼントを渡す際に必須の伝言事項となるだろう。

超熟も一緒にプレゼントしちゃおうかな。

なんなら最初からお酒抜いて超熟入れといちゃおうかな。

 

といったわけでみなさんもよかったら今日ご紹介の品々をどうぞ。