普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

誰しも帰る港となる食べ物がある

最近は勢いがなくなってきたが、以前までは結構な数の喫茶店を巡っていた。そうはいってもたぶん100いくかいかないかくらいの数だとは思うという程度ではあるけれども。

大きく分けると喫茶店巡りにはふたつのタイプがあると思う。

・用事があって出かけた先の街の良い感じの喫茶店との巡り合わせを楽しむ。

・「この店に行く」と決め打ちし喫茶店ありきでの街への来訪。

茶店巡りの主導は妻にあり、行きたい喫茶店をリサーチして街へ赴き、喫茶店スタートの街ブラという後者でのパターンが僕らには多かった。

茶店は数あれど、「これはいける!」という確信をもってチョイスできる喫茶店というのはなかなか多くもない。しかも暗黙のルールとして相当に気に入ったごく一部のお店を除いてかぶりなしで訪れたいという謎のルールが発動していったので、最近は気軽に行ける範囲で新規開拓というのができていなかった。このご時世で知らないところに飛び込んでいくというのがはばかられるというのも理由のひとつといえばそうかもしれない。

しかし、先週末は久しぶりに喫茶店に行ってきた。それどころか朝から喫茶店メニューを自宅で食すという喫茶店づいた一日の始まりであった。最近週末の朝ごはんは妻が作ってくれるというのが慣例になっているので今回もおまかせしてしまった。

週末の朝、すっきり目が覚めずソファと自分が一体不可分の存在であるかのようになまけのかぎりを尽くしていたところ、調理完了しててできたのがこちらだ。

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おいおいおい、これは日差しをいっぱいに浴びてウッドデッキとかで食べるやつだ。そんなことになったら僕ぁサラサラと光の粒となって消滅するぞ。とは思ってみたものの、しっかり自宅のいつもの食卓でいただくことができたので消滅は免れた。

一応説明するとこれはエッグベネディクトで、オランデソースという旨味とハイカロリーのドリームチームみたいなソースがかけられているので食べるときは健康的に食べようとか、背徳感を感じてしまうというのはお作法違反だと個人的には思っている。うめえもん食うときは頭の先から足の先まで欲望に忠実であるべきだ。

そんなフルスロットルな朝食を満たされた気持ちで終えたところ、久しぶりに勢いづいて喫茶店に行くことになった。

その喫茶店西荻窪にあり、元老舗喫茶店が閉店した場所に居抜き要素多めで新しく喫茶店をオープンしているところだ。前行ったときは食器や小物などを売っているだけだったような気がするのだけど、いつのまにか喫茶営業が始まっていた。

現在のお店としては初めていくのだけど、前の要素がたいぶ引き継がれているので1.5回目くらいの来訪という気持ちであった。

ぼくは喫茶店にいってもコーヒーよりは紅茶派なのでまずはアイスティーをオーダー。

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そして目についてどうしても頼まずにいられなかったのがこちら。

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どう考えてもハレの食べ物であるプリンアラモードだ。浮かれてますなー、浮かれた食べ物ですわなー。プリンアラモードかついで街を練り歩くお祭りとかどこかに存在していてもおかしくないと思う。そらくらいにめでたさしかない食べ物だ。

冷静にみればわりと手に入る食材でデコられたプリンということであるが、祭事の神輿などはほぼ木だし、ねぶただって紙だ。大事なのはテンションと勢いなのだ。プリンアラモードにはそれがある。

ひととおりアラモード祭りを堪能し西荻窪の雰囲気も堪能したところで帰宅。

ダメ押しでこの日の夕飯はタコスを食べようということにしていた。なんかたまにこういうやったるぞという日が訪れる。米を食え、米をという日だ。

タコスにはサルサソースが肝要で、サルサソースとあつふたつくらい要件を満たしていればなんでもタコスということになるらしい。

なのでサルサソースを手作りし、買ってきたトルティーヤに適当に調理したあれこれをオンして巻いて食べた。

そしたらしっかりタコスだったのでこれもまた懐の深い食べ物であるのだな、とアミーゴパンチョスだった。

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日本で言ったら味噌汁みたいなものなのかもしれない。お湯に味噌をといてあればひとます味噌汁だものな(暴論)。でも具の自由さは他の食べ物になかなか類を見ないものだと思うので味噌汁は日本のタコスなのだ。断言はしてみたけどたぶん違う。

違う上に、それぞれの食事の間、例の一膳ごはんシリーズの和風カレー食べたらめちゃくちゃ「ホーム感」があった。旅をしていたら戻る家がほしいということなわけですよ。それが僕にとってのカレーだったという発見…というか確認するまでもない事実だったようです。