普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

誕生日に甘茶出されたら泣いちゃう

傘を無駄買いしたことによる悲しみに暮れていて忘れかけていたが、4月8日は花祭りなのであった。お釈迦様の誕生日で行事食発生の日である。

行事「食」といえるのかどうかは微妙なところなのだけど、対象は「甘茶」。

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以前行事食チャレンジしていたときに近隣のお店で見つけることができず、どのようなものか謎に包まれていたが、今回はあらかじめネットで購入しておいた。

先にゲットはしていた甘茶なのだけど、実は花祭り前に興味をおさえられずフライングで飲んでしまっていたのだ。

そしてその味は衝撃であった。あまりにアレだったものだから当日に飲むのをためらうほどで、そのこともありパッケージのみでお茶を淹れた写真がない。

一言でいえば「甘ぇ」。

そりゃ甘茶なんだからそうでしょうよという話ではあるのだけど、想像していた角度からの甘さではなく、甘いはうまいという世の中の通説をひっくり返してくるお味なのであった。

枯れ草を砂糖で煮込んだゆで汁ですって言われたら、あー、そうなんですかという感じだし、これを出されるということは何かしら僕はこのひとの心象を損ねるようなことをしてしまったのだろうなと自省するだろう。反省をうながす味。それが甘茶だ。

驚きなのは嗜虐性を感じるほどに甘いのに、茶葉だけでこの甘味を生み出しているというところだ。

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パッケージによると砂糖の200倍の甘さらしい。でもカロリーゼロなんだそうだ。この世のバグみたいな植物である。

ここまで強烈な個性があるとイベントに絡ませたくなる気持ちもわかる。この味を知って素通りすることはできないだろう。「無」を食べる代表のおきゅうととは大違いだ。おきゅうとにはイベント性を感じないし、任せられる器でないことは明白だ。でも僕はおきゅうと、なんとなく好きだけども。

なんだかんだと言ってはいるけれども、長年存在だけは知りつつもどういったものかまったくの謎だった甘茶をこのタイミングで知ることができてよかったなとは思っている。

そして飲んだからわかる。これは確かにそこらで売られるようなものではないなと。この味を求める層は相当にニッチな層だ。音楽好きの中のグラインドコア好きくらいのポジションだと思う。

でも音楽に例えてみて思ったのが、グラインドコア以外音楽じゃねえくらいに思っているひとというのも一定数いるのは事実なので、甘茶以外飲み物として認めない、常飲している方々がいる可能性は充分にあり得る。

パッケージには他のハーブティーブレンドして飲むことも勧められていた。これを音楽にあてはめるとグラインドコアをもう少しキャッチーさのあるジャンルに混ぜ込むことで一般層にも届く可能性をもたせるということになるのかもしれない。

どことなくグラインドコアみのあるヒゲダンとか、いまにもブラストビートを繰り出しそうなKing Gnuとかそんなものといったところか。

話をお茶に戻すとこれは緑茶とか烏龍茶といったお茶代表みたいなのに甘茶をぶち込むことになるので確実にダークマターを生成してしまいそうだ。

たぶんカモミールあたりと混ぜるのが平和そうな気がする。それだとグラインドコアとヒップホップくらいの感じするし。好きなひとは好きそうだしね。

 

たんまりある甘茶の在庫をどのように処理していくか、あれこれとセンスを試される日々が始まった。