普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

空きテナントに見る夢

散歩が好きで、街をぶらついていると、以前はあったお店がいつのまにかなくなっていて、「テナント募集中」と張り出されていることがある。

張り出されている募集中の文字を見て、あれこれと思いを巡らせる。誰もがそうであるかはわからないけれど、基本的に希望的観測をもって次に入るテナントを考えるだろう。おしゃれなカフェがオープンして欲しいなとか、小粋な本屋が入って欲しいなとかそんな感じで。まあ僕はいつもバーガーキングウェンディーズ入らんかなと大穴にしかベットしかしないのだけど。

少なくとも僕は「テナント募集中」と張り出されているのを見るとほのかな期待をもって次のテナントが決定するのを心待ちにするのだ。

なのに。それなのにだ。

結構な高確率で美容院、整体、歯医者がオープンするのはなぜだ。みっつとも地域にやまほどあるのに。

競合がばっきばきにいるなかなぜオープンするのだといつも不思議に思いながらがっかりしている。3大がっかりテナントと言っても過言ではないだろう。

整体はあんまり縁がないからわからないけれど、歯医者とか美容院って通うお店が結構きまっているものではないのだろうか。サーティーワンアイスの新味出たから食べてみよ的な感じでとりあえず一回行っとくみたいなことが世の中ふつうなのだとしたら、思いのほか僕はそのあたり保守的なのかもしれない。

しかもまた上記みっつのお店って一度オープンすると結構つぶれない。ということはやはり新規のお客さんをきちんととれていて、リピーターを増やしながらやれているということか。

そこで不思議なのが、前からある美容院、整体、歯医者が店をたたむことなく、店が増え続けているのにお客さんの数は変わっていないということだ。リソースが変わらないのに充当先ばかり増えているというのは計算が合わない。もしかしてみんな歯医者とかいちどに2回ずつ行ってる?それなら理解はできないけど納得はできるな。

それにしてもなぜこのみっつの業種は新規オープンがばんばんあるのだろうか。独立しやすい環境、もしくは独立したくなるような環境だったりするのだろうか。

どれも技術職なのでたしかな技術をもっていればひとの下で雇われているより自分でお店なりをもつほうが稼げるというのはあるかもしれない。そしてランニングコストがあまりかからなそうというのも店が減らない理由と考えられる。どちらも僕が勝手に考えているだけで実際のところどうなのか知らないけれども。

というかそもそも真面目に働いていて希望に満ちた気持ちで自分の店をもったひとに対してがっかりテナントとかいうなという話ではある。ほんとすんませんです。

でも次はもっと自分が利用するような業態のお店が入るといいなとひっそり思ってしまう。テナントがはいった直後から終わりの始まりを期待してしまっているのだ。なんという失礼千万な向き合いかた。

もうこの際近所の空きテナント全部バーキンウェンディーズにならないかな。

f:id:takian2000:20210312182956j:image

これはなんか良すぎる別にテナント募集されていない空き物件。