普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

再生ボタンを押す価値

なんかもうこわい。世の中こんな発想のひとがいるものなのかと。

でもかっこいいと思う。最高だ。褒め言葉として言うが、完全に頭がおかしい。あたおかさんだ。

このバンド?に関してはTwitterで話題になっていたのをきっかけに出会ったわけで、なおかつYouTubeというものがあったからこそ気になって即その音に触れることとなった。

この流れが出来上がって久しいけれど、僕くらいの年齢のひとたちはときどきはっとするんじゃないかなと思う。便利すぎんか、これ、と。

僕らが学生時代にはこういうサービスはもちろん、ネットすら普及しておらず、それどころかCD屋に視聴機があるかどうかすらも怪しいレベルだ。

購入し、CDデッキの再生ボタンを押すまでそのバンドがどのようなサウンドを繰り出してくるのか未知数だった。今考えるとやたら射幸性の高い行為だ。

そんな一連の流れで冒頭バンド(Crown coreというらしいです)を手にしたらどうだろう。

今と受け取りかたがまったく異なると思う。うろたえるだろう。なんてものを手にしてしまったんだと。全然わからんぞと。何のふれ込みもなく、それこそジャケ買いでこんなバンドを手にしてしまったらデッキこわれた?くらい思うかもしれない。今と違う意味で恐怖を感じそうだ。しかし、昔はお金もないし、せっかく買ったCDなのだからと第一印象でピンと来なかったものでも何度も何度も反芻するように聞いていたりしたのだ。それでなんだかんだで結構好きになってたりする。わりとそういうバンドって多かったかもしれない。

それを考えると今ってさわりで良く感じなかったら「はい次」となることが結構あるんじゃないかと思う。これは音楽に限ったことでは無く、色々な事象にあてはまると思うので時代が変わったということなのだろう。消費の時代ってやつですかねえ、などとマジものの中年的発想になってしまう。や、別に年相応なんだろうから悪いことでもないのだろうけども。

ぶつくさ言っているけれど、昔がよくて今が悪いとかそういうことではなくて、興味のある物事へのアプローチの仕方がここ20年くらいで劇的に変わっているのがおもしろいなと。

20年前といえば2000年。その20年前といえば1980年だ。音楽に関して言えばCDがレコードになるくらいでそんなに2000年くらいまでとアプローチの仕方は変わらなかったのではないかなと思う。

メディアで言えばそういえばカセットテープとかもあったな。そしてカセットテープでアーティストのアルバムを売っていることもあった。A面、B面フルに使って。

そしてアーティスト(例えばドリカム)の曲をまったく知らない誰かが歌っているという代物も横行していた。あれはどういう位置付けの商品だったんだろう。

トラックのよく通りそうな国道沿いの弁当屋によく売られていた記憶がある。誰が歌っているかよりも何を聞きたいのかということにウエイトをおくとあれでもいいやという発想になるのだろうか。

そんなものだから「本人が歌っています!」とかケースに書いてあったりするのである。いや、そりゃそうだろうと今なら当然思うが、そうでない時代があったのだ。

ちなみにその他人歌唱のテープは安価で売られていた。人気のあるアーティストなら本人が歌ってなくても曲がよければ安い方買うんじゃない?的に光に集まる虫のような販売業者がいたのかもしれない。あの時代らしさのある話ではある。

そして当然歌い手さんがいるわけだ。どんな仕事の依頼のされ方してたんだろう。それでどんな気持ちで仕事を受け、歌入れをしていたのだろうと気になることばかりだ。

もしこのブログを読んだ方の中で他人テープで歌っていたひとを知っている、なんなら歌っていたというようなひとがいたら是非お話を聞かせてください。

 

なんか話題がとりとめなくなってしまったのでもう一発クラウンコアだしてクラウンコアで挟み込むことで全部クラウンコアの話したことにします。

こういうのを他人テープで売ってたら興味本位で買っちゃうかもしれない。