普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

免許が雑多な人種を集める

妻は免許持ちでありながら免許取得時の教習以来運転をしたことがないと言う由緒正しいまじりっ気なしのペーパードライバーである。当然のようにゴールド免許だ。

僕は免許をもっていないのでよく知らないのだけど、ゴールド免許であるひとは免許更新時、更新できる場所の選択肢が増えるらしい。

今までに何度か妻の免許の更新について行ったのだが、府中、鮫洲、そして今回の東陽町と毎回場所を変えている。ただ単純にお出かけ気分で場所を変えているので深い意味はない。

毎度一緒に行って思うのだけど、ああいった公的な施設というのは世間一般の価値観からはずれたところにあるというか、職員の方も掲示物もあまり他の場所では遭遇しないようなひと、モノに出会う。

ひとで言えばなんというか素朴…というか朴訥としているというか、優しくはあるんだけど、営利企業のようなサービスは特にない。そもそもこちらは客ではないし、金銭授受などもないのだからそこまでする義務というのは職員の方々にはないわけだけれど。

全体的に学校行事に参加しているような、そんな不思議な雰囲気であるなと感じた。なんだろうな、どうもうまく説明できない。

そういった部分で考えると掲示物も独自路線で味わい深いものになっていくというのも学校的であると言えるかもしれない。

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あおり運転を撲滅せんとするポスターではあるが、このポスター自体がめちゃくちゃ見るひとをあおっているように思える。なぜこの絵柄を選んだ。というかどの層に訴えかけようとしているんだ。

見たままを素直に受け止めるとするのならば、このポスターが効果を発揮しそうなのは劇画漫画を好む層だ。言い換えればあおり運転をしがちなひとというのは劇画タッチの漫画を好むと考えられているということか。すごいところに的をしぼったものである。

でもちょっとわからないでもないなと思わせるところが絶妙なさじ加減だ。

他にもいろいろと犯罪抑止を啓蒙する掲示物があり、妻が講習を受けている間にあれこれと見てまわった。

なかでもエスカレーター沿いに貼られているなかにいくつか興味を引かれるものがあったのだけど、うまく写真が撮れなかったので動画をのせておきたい。

特にこの中でも0:05あたり、不正軽油に関するもの、0:10あたり、金の密輸について、そして最後のあたりの電波法についてなど、ふだん生活していたらまず思いつかない犯罪について注意喚起がうながされているのだ。

とはいえ、それは僕の生活圏だけの話でもしかしたら不正な軽油は跋扈しているし、金は密輸が当たり前、電波に関してはひとであるにもか関わらず銀河からの電波を受信している方々が大勢いるのかもしれない。

なにより、このポスターを目にしなければいけないひとは果たして警察によりつくのだろうか。と、思ったが、免許を更新する場所であれば善人から悪人まで様々な人種が集まるわけなので上記の犯罪に手を染めがちなひとの目にも届くわけか。合点がいった。

そういえば前に府中の免許センターに行ったときも明らかにスジの良くなさそうな金融関係のひとが職員の方ともめているのを見かけたな。しかもそのあと喫煙所で「免許なくなっちゃったんで回収いけないんすよー」と兄貴分と思われるひとに電話で嘆いていた。さまざまな人種の悲喜こもごもに遭遇できる場所である。

 

今後また免許の更新があった際には付き添うつもりなのだけど、冒頭で触れたようにゴールド免許所持者は指定された警察であればどこでも更新が行えるらしいとのことだ。

東京には島部にだって警察はある。そこでも更新できてしまうのだろうか。免許更新のためだけに島に遠征ってすごく良いなと思うので妻にはぜひ次回の更新を八丈島あたりで行って欲しいところである。