普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

対決 ハンバーグ戦

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巨大だ。ハンバーグが巨大なのだ。

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大きいハンバーグが出てくることは知っていた。それでも目の前にこの物体が現れたときはさすがにうろたえた。

このお店、職場の近くにあるハンバーグ屋なのだけど、来店は初めてではない。今の会社に入社した初日にそのときの上司とOJT担当と食べに来たことがあった。

今にして思えば完全に話が盛り上がらないメンツで食事をしたのだなと思える。そのときの上司はザ・サラリーマンなひとなので、入社初日の人間とは飯でも食いにいくべきであろうという考えのもと僕を誘ってくれたわけで、話を聞いてみたいとか、くだけた会話をして緊張をやわらげてあげようとかそういう考えは一切持ち合わせていなかったのである。

そうなると当然テンポ良く話をふってくれるようなこともないので僕が会話をまわさなければという気持ちが生まれてくる。しかし僕も緊張しているし、どこまでくだけた会話をしてよいのかわからないから「ご趣味なんかはあるんですか…?」とか盛り上がらないお見合いだってもうちょっとマシな会話をするだろうというくらいしょうもない質問などをしてしまっていた。

質問そのものがしょうもないものだったのは僕も反省している。しかしその答えを「趣味、ないですね」で返してくる上司も上司だ。キャッチボール終了である。というかキャッチボールですらない。へろへろの球を投げたらがっしりミットにキャッチして終了である。しかも球捨てた。Siriとかアレクサの方が気の利いた返しするわと今なら思えるけれど、当時はどういう空気感なのか掴みきれず、押し黙ってハンバーグを口へと運び続けるしかなかった。

そんな思い出のハンバーグを入社以来に食べに来たわけであるのだけれど、なんだか当時とモノが違うというか、こんな感じだったっけ?という気持ちをぬぐえないまま箸を進めることとなった。

いつも仲良くしている定年派遣おじさんからの噂によるとマスターが怪我をしてから味が落ちたという話だったのだけど、それによるものなのだろうか。つなぎが多いのかやけにふわふわしてハンバーグで肉を食べているという感覚もあまりないというか。不思議な食感だった。前はもっとガッツリハンバーグというかんじだったような気がするのだけれども。

まあ上記のような状況でしっかり味わえていたかというと怪しいものはある。しかし怪我をしてハンバーグがやわらかくなるとはどういう道理なのだろう。こねるのが辛くなったからつなぎを多めにしてやわらかくこねられるようにしたのだろうか。謎だ。

形状は覚えていたものとなんだか違っていたけれど、巨大であることは記憶の中のものと一致していた。あんな大きいものを一度に食べるなんて僕の人生でそうなかったし、これからもたぶんあまりないんじゃないかと思うくらいには巨大であった。

最近お酒を控えているおかげで食欲が回復してきたのでこれはいけるのでは、と今回このハンバーグへとチャレンジしたのだけれど、完食こそしたが、完全勝利には程遠いものであった。ご飯食べて元気だそうというのが通常であるのに、食べたあとに満身創痍となる体たらくである。試合に勝って勝負に負けている。ドラゴンボールの悟空VS天津飯戦のようだ。

ちなみに、同じチームで働いている同僚(女性)から聞いた話だとハンバーグは300グラムだという話であった。数字で聞くとなんだか全然大したことない数字なのだけど、僕からしてみたら相当な量である。その同僚はペロリとたいらげたという。そうか、ペロリですか。みなさんよく食べるんですな。というか僕がめちゃめちゃザコなだけなのかもしれない。

 

この勝負(食事)の影響でこのあとずっとおなかががすくことなく1日を終えることとなった。でも最近ぼんやりと憧れていたごはんをもりもり食べるという行為に少しだけでも近づたといえばそうかもしれないので総合的にみたらプラスだったかもしれない。

修行してもっともりもりいけるようになろう。