普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

新しい無頼のスタイル

最近めっきりなくなっていたのけど、久々にPCのアドレスにスパムメールが送られてきていた。

久々なのでどんなものかなと内容を確認したところ、あなたのあられもない姿をばっちり押さえたのでばらまかれたくなければ金払え、という内容を外国語が日本語に訳された状態で送られてきていた。

内容としてはよくある内容といえばそうなのだけれど、「私ハッカーは」と自己紹介かつ宣誓から始まり、状況を理解できないひとのために今どういう状況なのかという説明をし、想定されるであろう質問に対してQ &A方式で答えるなどの丁寧さをみせていた。

誰でもネットに触れる世の中になったので、ウイルスに感染しているという事実がどういうことなのかを説明しないといまいち響かないという判断のもとからの内容なのだろうか。そして疑問に思うであろうことを先回りして答えるホスピタリティ。これが次世代の迷惑メールかと膝を打つばかりである。

懇切丁寧に説明してくれているというのも結局は効率よく金をせびりたいということに繋がるのでぶっきらぼうに喧嘩腰よりははよほど効果があるだろう。

そして、支払いについてはビットコインでの支払いを求められる。ドル建てではないところにまた現代っぽさを感じる。

僕などは仮想通貨に全然興味がないものだからビットコインの用立て方がわからないのだけれど、そこはご安心ください、きちんとビットコインの購入方法の説明もございます。かゆいところに手が届く迷惑さだ。

今の世の中、無頼漢といえども丁寧さが求められるのだな。この手のメールは無視されてしまったらそれで終わりなわけで、相手をのせないといけないのだから、「わからん、ほっとこ」にさせないためにあの手この手である。

そして極め付けとしてメールの締めくくりでは

「よろしくおねがいします!」

と、元気に挨拶であった。

なんだよ、ちょっと爽やかでいいやつっぽさすら出してきてるじゃないか。やってることは間違いなく無頼であるのだけれど。

そんなことでよいものを見たという気持ちをほっこりさせてくれるメールなのであった。

 

スマホのキャリアメールにはちょこちょことスパムメールが入ってくるのだけど、本当にもう王道というか、前時代的というかもうなんのひねりもない金と女で男を釣るみたいなものばかりである。本件をみならってほしい。

というか、キャリアメールを連絡手段にしているひとって今どれほどいるのだろうか。僕の母ですら連絡はLINEだ。

キャリアメールにああいったメールを送りつけてどれほどの効果があるのだろう。むしろ釣れるひとって余程のひとだと思うので関わるコストがかかりそうだ。なにかと効率化のこの世の中で手間をおしまないスタイルである。

 

国内のスパムはモノそのもので興味をひこうとするのに比べ、海外のスパムはセキュリティ、プライバシーといった心理的なところに訴えかけてくるというのはちょっと興味深いものはある。

ま、迷惑なのには違いないのでこないのが一番という結論にはなるのだけれど。