普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

数字が増えると湧く会場

今週は週の後半は出社し、少しだけ普通の生活に戻ったかのような生活をしていた。ところがみるみるうちにコロナの感染者数が増えてきたので来週からどうしようかなと考えているところだ。

とはいっても、なんだか感染者数という数字もなんだかよくわからないものになってきてしまっているような気がする。たしかに人数としては増えているし多いなと感じるのだけど、結局自分で考えて行動しないといけないのは変わらないのであまり気にしすぎるものでもないのかなと思い始めた。

数字が増えていくごとに大衆の発言が熱を浴びるこの感じ、ちょっとセリっぽさがある。市場とかのあのセリ。そう考えるとどこかで落札のタイミングがやってくるわけだ。それがロックダウンとかだったらちょっと落語のような話である。お後は全然よろしくないけれども。

 

そんなわけで連続出社であった今週。考えてみれば連続で出社したのはもう4月以来だ。行ったら行ったでやはり「普通」なのだ。在宅勤務が続けばそれが「普通」。今はどちらも選べる状況だからそう思えている部分はあるかもしれない。

 

出社してひとと会うので当然会話をすることになる。そしてその話題、第一声は僕の髪型の話であった。それは僕がパーマをかけたから。

人生初のパーマですわ。齢40にして初パーマネンツ。なんでもやってみるもんですな。年齢よりも過疎的な頭皮であることを考えると後のことからは目を背けたくなるが、肝心のちぢらす毛がなくなってしまったんじゃパーマもなにもないので巻けるうちに巻いとけという算段である。評判も概ね好評だったのでイメージチェンジとしてはまずまず成功だろう。

仕事をしていたら後ろからいきなり「髪型かっこいいですね!」と言われ、振り向いたら部長であった。これはあれか、ドレスコード的なもので牽制されているのか単純に褒めてくれているのかどちらだ、と一瞬の逡巡の後、「ありがとうございます!イメチェンです!」と無駄にポジティブに返しておいた。そのまま部長は去っていったのでおそらく後者であったのであろうと前向きに捉えることとする。

部長は結構なヘビースモーカーなのだけど、4月からの健康増進法だかなんだかで職場敷地内の喫煙所が撤去となってしまったので近所のたばこ屋までたばこを吸いに行っている。部長がいくなら問題なかろうと僕もそこにタバコを吸いにいく。

その道すがら、ビルの入り口にやけにゴミが落ちている箇所があり、何度か通り過ぎているうちにそれはパン屑であることがわかった。

そしてまた幾度か通り過ぎるうちに今度おじさんがパン屑をちぎってまいていた。ついに本体登場だ。何度か通っていて結構な頻度でパン屑が落ちているのでしょっちゅうまいてるぞ、あれは。おじさんはなぜかレアなのだけど。

と、ここでふと思った。僕ががたばこを吸いにいくように、あのおじさんはパンまきちらすのが息抜きとなっているわけか。ひとそれぞれそういう息抜きの仕方ってあってよいなと感じる。そういうことでいうとあのおじさんは自己管理がしっかりしている。本人がそんなこと考えているかは知らんけど。

 

出社すると全く接点のないひとの、全く考えもしなかった行動に出くわしたりするのでそういう部分はやはり心に波風がたって心地よい。

虫を発見して焦るくらいのイレギュラーしかおきない在宅勤務と比べるとそういう部分は出社のよさもあるかもしれない。