普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

勘違いとはいえ洗ってて欲しかった

アライグマといえば餌を水にひたしてじゃぶじゃぶと洗う姿が印象的だ。大変に愛くるしいし、四足歩行でありながら衛生観念があるのかと感心するばかりである。

食べ物に泥がついてたり、砂利がついてたりしたら食べるときいやだものな、わかるわかる洗うよねーとアライグマに共感を覚えていたのだけど、あの行動は別に餌を洗っているわけではないらしい。

水中に手を突っ込んで水棲系の生き物を捕食するための行動らしいのだ。でも目があまりよくないらしく、雑にじゃぶじゃぶするからものを洗っているように見えるよね、ということでアライグマ。

アラッテナイグマだったのである。もっといえば狩りが雑グマだ。なんということ。

それでも動物園とかで食べ物を与えたら水でじゃぶじゃぶするじゃないかと思うだろう。僕も思った。それについては狩りを行うことのない環境下、乾いたものを与えられて本来の水揚げしたての食べ物に近づけるためにやっているのだという説もある。ほんとか、それ。

要はおしめりのためにやっているのだ。せんべい汁みたいなものだ。もしくはスナック菓子を開封しわざと湿気らせるため3日くらい放置する行為。あのあたりのことを遺伝子レベルで欲しているのかもしれない。

洗ってこそいなかったが口に入れるものに一家言あるということは言えそうだ。気高いな、アライグマ。

 

動物園にいる動物というのはなるべく本来生息している環境に近い形で動物たちを飼育されているのだろうけど、どうしたって本物には敵わない。独自の進化(もしくは退化かもしれない)をしていくのだろう。

このまま時が経っていけば仁王立ちのフラミンゴ、やたらと快活なハシビロコウ、細マッチョなゴリラなど、今までの常識が覆る動物がでてくるかもしれない。そうなったら自然界にいる同じ名前の動物とはもう別物だろうし、新しい名前などつけたりするのだろうか。

動物園で独自進化をした動物シリーズとかあったら是非みてみたい。それをひとは狂った動物実験場と呼ぶのかもしれない。

倫理的にギリギリなものほどその誘いは甘美だ。僕はそういう誘いにめっぽう弱いので、低いことで定評のあるモラルと溢れすぎていて溢れるという概念を考え直させるくらいの好奇心でがっついていく次第。

 

と、急進的な発言をしたが、もう随分前に真夏に市原象の国に行った時に暑すぎて動物たちがすべて失敗した油揚げみたいな状態になっていたのも愛おしいと感じるのだ。あのだらしなさ、最高。

この際失敗油揚げパークを作ったらいいとすら思っている。愛嬌とアート性に富んだ新機軸のテーマパークだ。うんごめん全然作ったらいいとか思ってない1ミリも思ってない。

 

油揚げは美味しく食べましょうということでいいですか?

 

エス