普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

ライブハウス新基準という言葉がなんだかピンとこない

どうもライブハウス新基準がホットなようで。

もはや出演することはおろか観客としてもほとんど出入りしなくなってしまったのだけど、元々入り浸ってた身からするとやはり思うところはある。

今回のコロナの感染拡大初期段階、ライブハウスでクラスターが発生してしまったというのがその後のライブハウスへの過剰なまでの悪印象を助長することになってしまったわけだけど、世の中本当に「とりあえず言っとく」みたいなひとはわんさかいるのだなと痛感した。

ライブハウスなんてなくなっても困らない。むしろ無くなれば良い。くらいの論調のひともいたりして、そりゃあなたにとってはそうでしょうけど、そういうのっていちいち言う必要あるか?と暗澹たる気持ちになった。

様々な業者が通常営業へ戻っていく中、ライブハウスは宙に浮いていた感があったのだけど、ついに新基準での営業再スタート。関係記事を読んでいたら日本音楽会場協会というライブハウスをとりまとめる団体というのが存在していたことを知る。そんなものがあったのか。いつ発足していたのかは調べてないけど、自分が活動しているときは少しも聞かなかった名だ。ちなみに代表はヘッドパワーらしい。

あー…そうなん?と、わかるひとにはわかってもらえるリアクションを思わずとってしまう次第だ。

 

肝心のライブハウス新基準。観客は声を出さず、演者はフェイスシールド着用、当然ソーシャルディスタンスを保つ。ライブが出来ない、観られないよりはいいと考えることも出来るかもしれないけれど、なかなかにして珍奇な光景だ。めちゃめちゃ前衛的なアート集団が演出として繰り出してきそうな光景とすら思える。

握手会は避けて、やるなら握手ごとにアルコール消毒を実施とのことらしい。手かっさかさになること請け合いだ。

 

でもなあ、当事者だった身としては、言いたくはないけど、ソーシャルディスタンスを意図的に気にしなければいけないライブなんてそう多くないという悲しい現実がある。

よくネタとして言われている観客席よりステージの方が人数多かったってやつ、本当にちょこちょこありますからな。むしろ演者だけが感染率高いという話だ。

 

あとね、ハードコアのひととかパンクのひとにいがちなんだけど、ステージ上でツバ吐くんですわ。理由はしらない。僕なんかライブ中暴れまわっててしょっちゅう口の中カラッカラになってたのに、口の中に潤沢な水分を残しているとはそれこそがパンクなのだろうか。

メタルはかさかさ、パンクはうるおい。ジャンルの格差が明るみになった。

でもフェイスシールドしたままタバコ吐いたらビジュアル的に結構キツめだ。そんなのパンクじゃない。しらんけど。

 

話が横道にそれたけど、今回のライブハウス営業再開の件、なんともしっくりこないのだ。僕は関係者と言える立場ではなくなってしまったけれど、関係者はどう思っているのだろうか。

基準守ってでもライブやりたいのだろうか。僕が現役だったらあえてライブハウスでやらずに別の方法を考えていくかもしれない。配信も含めて新しい道を模索する。

 

また、ライブハウスと満員電車を比較対象にするひとも散見されるけど、これはさすがにライブハウスが分が悪い。換気の面もそうだし、行われている内容についてもだ。

窓がなく、出入口がふたつくらいしかないうえ、なかに入ると酒を飲みながら拳を振り上げて叫んでいるようなひとがぎゅうぎゅうにいる満員電車なら対等であるといえるけど、そんな電車怖すぎるので存在して欲しくない。どんな世紀末シティだ。ファイナルファイトの地下鉄だってもうちょっとマシだわ。

 

とはいえ、満員電車は明らかに普段の生活より感染リスクが高いというのは間違いないと思うのでやっぱ在宅できるひとは在宅、どうしても出社しないといけないひとは出社。ひとが分散されて電車がすいてみんなハッピー。それでいいじゃないと思うのだけど、会社は普通の出社に戻そうという考えのようだ。

て、これ全然別の話題はなのでまた別の日に書きます。

 

ライブハウスもこの機会に減ってしまったようだけど、そもそもバンド昔ほど多くはないと思われるので、バランスとしてよくなるかもしれない、というようなポジティブなこと言っておいて本日はこれまで!