普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

アニバと思えばなんでもアニバ

気づけば透析をはじめてから5年経っている。特に何かあるわけでもないのだけど、5年はなんだかキリがよい。どこかの何かが5周年と聞いたら「お、続いてるな」と思うだろう。僕の透析もそんな感じだ。

ふと今までどれほどの回数透析のために針を刺してきたのだろうという思いが頭をよぎったので計算してみた。

毎回2本ずつ、週に3回、1ヶ月を4週間として、それを12カ月、5年。

結果、単純計算では1,440回だった。すごい。ほぼ1,500だ。それだけの回数針を刺されていて、その半分の回数くらい血液をろ過しているわけだ。

さらにどれほどの血液量をろ過しているのだろうと思い、こちらもざっくりと計算してみた。

1分間に200mlを機械に通すとのことなので、それを上記の期間で掛け合わせて計算してみたところ、約35,000,000mlだった。こうなってくるともうどの程度なのか想像がつかない。そこで他の液体の単位で計算し直してみる。

ガロンでいうと約9,200ガロン、オンスなら約1,200,000オンス、バレルで言うと約220バレルだ。

昔、友人の家で1ガロン入りの瓶のタバスコを見たことがあるが、それが9,200本ということだ。中身全て血液で。もう出荷できる。

バレルは1バレル約160リットルらしいのでいわゆる樽くらいの容器をイメージするとよいと思われる。それが220樽。これはもはや船便で輸出する量なんじゃないだろうか。中身全部血液だけど。

結局落ち着くところに落ち着かせるとリットルで35,000リットル。350リットル冷蔵庫100台分だ。核家族100世帯分まかなえる。扉開けた瞬間バシャバシャ血液量溢れ出すけど。

こうして数字にしてみると途方もない話だなと思わされる。ひとりでもこの量なのに何人もの血液をろ過し続ける機械もすごい。そして機械を開発したひともすごい。ひとつの透析クリニックで5年間のろ過した血液量を計算したらダム1基分くらいいけるのではないだろうか。

ちなみに冒頭に針を刺された回数を計算していたが、クリニックで10年くらい勤めている技師さんに針を刺した回数を尋ねたところ、少し戸惑いながらも計算してくれ、つい最近10万回に達したのではないだろうかという回答であった。これまたすごい。この回数針を刺したらワンポイントの刺青くらい彫れそうだ。

なんとなく日々の透析で行われていることを数字としてあらわしてみただけで結構発見があるものである。

これはもう5周年記念イベントみたいなものなのではないだろうか。うん、そうしましょう。

雑学にもならない本当にニッチのなかでも底をめくったところにあるくらいの需要のない知識だけど、皆さんもビルゲイツの月給、果ては秒給とか計算したことあるでしょ。その類の発想と思ってもらえれば。

 

それでは、これから透析を始める方も、透析を終える方も、元気に行ってらっしゃい!