普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

議題のない会議

最近少し話題のオンライン飲み会を経験した。メンツは職場の先輩、定年派遣おじさんといつもの顔ぶれだ。

場所が変わっただけで話す内容も飲む酒もそんなに大きな変わりはない。わりと抵抗なくいつもと違う環境での飲み会を受け入れることができた。お酒の面だけでいえばいつも飲み慣れているウイスキーを飲めるという分お店で飲むより楽だったかもしれない。

考えてもみればひとと酒を飲むというのは会話に重きをおいているのだからオンライン会議ツールとの相性がよいというのも当然といえば当然ではある。今回の場合飲みの席の場がオンラインとなった形だが、むしろ実際のオンライン会議にお酒という要素を足すくらいの心意気があってもよいとすら思う。もしかしたらこっそり飲んでるひととかいるんじゃないかな。

おじさんは飲みはリアルが一番だよ、と当初あまり乗り気ではないような態度をしていたが、僕はおじさんが保守的な人間であることを知っている。同時に寂しがりであることも知っているので口八丁でアプリインストールへと誘導した。結果、結構満足していたようなので喜ばしいことだ。いくら口車にのせられた形とはいえ、おじさんくらいの年齢で新しい技術に踏み込んでいけるのって良いことだと個人的に思う。歳をとって新しいものを受け入れられなくなるというのは意固地な感じがするし、人生の楽しい部分を逃してしまうよう気がする。僕もおじさんくらいの年齢になったときにその時代の旬を味わえるような人間でありたい。

一方の先輩はおじさんに輪をかけて寂しがりなので、飲み会自粛をとても嘆いていた。僕がオンラインでも飲めるそうですよ、と提案したときには前のめりで開催を求めた。当然のように先輩は大満足し、次のスケジュールも提案してくる喜びようだった。ひとまず今週どこかで声が掛かるのだろう。

実は日曜の夜にもにも暇ならオンライン飲み会どうですか?と連絡がきていたが、21時もまわっていたし、ゲームやりたいなと思ったので適当に理由をつけて断ってしまった。

それにしてもおじさんにしろ先輩にしろアフターファイブで遊びに、というか主に飲みにいけなくなったことに対して大きく心を揺さぶられているようだ。なにか趣味とかないのだろうか。

僕はゲームなり音楽なり、まとまった時間があればあるほどそういったものに打ち込めるので家にこもっているのはそこまで苦ではない。というか引きこもりの才能あるんではないかと思っているくらいだ。入院生活慣れなどでダラダラと時間を過ごす術をいつのまにやら体得していたのかもしれない。意識したわけではないのにこなしてしまうなんて天才タイプだ。それか持って生まれた素質、いわば小悪魔的アプローチの引きこもり。自覚はないがヒトを惑わせる。

天才タイプの小悪魔ひきこもりってドアとかセメントで固めてもう部屋から一生出てくんなという感じだけれど、それでも食糧その他インフラが供給されれば外に出ない、ということでいえばかなりの長期間を引きこもれそうだ。というかむしろなにか引き込まれてすらいるのではないかとまで考えてしまう。地場のなにかに。そのうち家と一体化して次の代の天才タイプのひきこもり小悪魔を製造するのだ。そうなるともう研究だな。意識たけえ。

 

などといいつつも大切に思うひとたちが罹患する可能性があるというのは安心できないし、早く落ち着いたらよいなと思ってはおります。

 

たったいま先輩からオンライン飲み会のお誘いがきた。思えば先輩、酒を飲むと寂しさに拍車がかかってラインとかすごい送ってくるタイプのひとだからなあ。先輩寂しがりすぎだろう。厄介なものを紹介してしまったかもしれない。