普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

クーデターと地方都市

茨城県は西部に坂東市という行政区画が存在する。日本人の9割、いや、茨城県民ですら知らないひともいるかもしれないそんなマイナータウンだ。

この坂東市、今どきなんかの冗談なんじゃないかなというくらいに陸の孤島なのである。

なにしろ電車が通っていない。日本全国離島を除けば7市電車が通っていない市があるとのことだが、そのひとつなのだそうだ。

土地はいくらでもある。僕が見た限りでは平坦な土地も多く、東京からは位置関係だけで言ったら近い。距離で言うと40キロ程らしい。

電車でも通してベットタウン化するにはもってこいの土地ではないかと思うのだけど、ずっと昔から発展していない土地とのこと。

それはなぜなのか。こんな話を目にした。

坂東市はかの有名な平将門のホームタウンであったという。将門はなんだかんだあってときの朝廷に反旗を翻すかたちとなり、引っ込みもつかなくなったのか、自分を新皇と名乗ったそうだ。そう、この坂東市で。普通に考えたらこれはクーデターですな。とはいえ地元じゃ人望はあったっぽい。でもそこはやっぱりお上がほうっておくわけもなく、あえなく討ち死。

朝敵が君臨した土地、坂東市としてその後の天皇家からも冷遇されていたとかいないとか。そういうこともあり発展の妨げになっていた。

と、言うことを知らないおっちゃんがタクシーの運ちゃんから聞いたと言う話を見たということなのだ。信憑性は相当に低い。でもなんかちょっといい話だなというか、日本まんが昔話のような雰囲気があって好きなエピソードだ。しかも話の伝わってきかたが都市伝説っぽいのもよい。

坂東市、実際何もないのは事実なのだけど、良いところではある。先述の平将門フリークには人気の土地なのかもしれないし。

ちなみに、将門といえば首塚が有名だけれど、坂東市には胴塚もあるらしい。さすが地元。

それにしても首塚は全国に何箇所かあってその全てに首が落ちたと言い伝えられているようだけど、個人的には休憩でもしてたんじゃないかなと思ったりもする。なにせ京都、茨城間だ。そりゃ疲れもする。一旦降り立っておなかを満たしたりしたいだろう。首だけだけど。

それでも結局東京都千代田区までは飛んでこれたのだからがんばった。惜しい。京都からの道のりを考えたらあとちょっとだもの。そのときに東武東上線とか走ってたら首も電車利用して地元に凱旋しただろうな。坂東市電車通ってないけどな。

平将門は祟りでも有名だ。様々なエピソードが存在する。基本的に不敬な扱いをすると祟られるというのが定説のようだ。そんな中、坂東市には将門煎餅というものがあるという。これはなんというかギリ不敬なのではないかと思ってしまうのだけどどうだろうか。

とかいって、こんなことブログに書いてる僕が一番不敬かもしれない。将門さまの怒りにふれたくない。この年齢になって大人から怒られたくない。

今度将門煎餅持ってお参りするんでどうかここは穏便にお願いいたします。

 

絶対怒られるな、これ。