普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

イレギュラー病魔

不健康であることは子供の頃からで、特に普段からあまり気にしていないのだけど、突発的に訪れる病魔というのはやはり身構えるものがある。

病魔とか大袈裟に言ったけど、ざっくり言えば腹痛だ。僕は憩室炎になりやすき民であるとのこと。

憩室が炎症を起こすから憩室炎。憩室というのは腸に出来る余分な空間のことで、腸に過剰な圧力がかかることで出来るらしい。腸詰めとか自家製するときに上手く具を入れないと変なとこがぷくっとなったりする。あれが憩室なのだという。

誰にでもあるわけではなく、あるひとにはある、くらいのもので、一度できたらへこむことはない。通常であれば便はするりと腸を駆け抜けていくのだろうけど、憩室があることでそこにひっかかり、なんならちょっと居座っちゃったりするので、それが原因で炎症が起こるらしい。

現在憩室炎の入り口あたりの部分を再発している。症状としては不定期な腹痛。炎症を起こしているので少しながら発熱もする。

最初に憩室炎になったときはそうだと気付かず普通に便秘でおなか痛いだけだと思っていたし、町医者に相談しにいったら便秘でしょ、とちょっと嘲笑気味に言われた。確かにまあそうだよな、とは思ったものの、そのうち就寝中に腹痛で目が覚めるようになり、仕事中にたまにくる痛みのビッグウェーブにこれは普通ではないだろうと思うようになり、総合病院の門を叩いた。

どういった経緯だったか思い出せないのだけど、救急外来で受診し、血液検査を行ったら、血液の炎症値がえらい数字を叩き出していたらしい。通常0.3以内におさまってなければいけない値が25だか26だかあったとのこと。

僕としては「あー、そうなんだ。」くらいに受け止めていて、その日は午前半休をとっていたので午後から出社するつもりでいた。しかし担当医から「君をこのまま帰すわけにはいかないっ!」と熱烈な言葉をいただいてしまい、ふ、お前がそこまで言うならしょうがあるめえと入院となった。いや、実際は結構ごねた。今度じゃダメですか?とかなんの解決にもならない提案とかしてた。

下手したら腸が破裂して死ぬか人工肛門になるレベルだよと言われたのでこれはたまらんと即日入院を受け入れ、点滴、絶食治療が始まったのである。

とはいえ、2、3日で腹痛も治まってきて、炎症値もだいぶ落ち着いてきたし、5日後くらいには流動食とはいえ食事も出来る様にようになってきた。もう退院してもよくないですか?と若い担当医に聞いてもまったくとりあってもらえず、こちらが納得するような入院を継続する具体的な理由を話してくれないのでちょっと突っかかるような話し方をしてしまっていたと思う。担当医はムロツヨシに似ていた。あのときはごめんな、ムロ。

その後、僕があまりにもふてくされているからなのか、ムロのはからいで外出の許可が出た。短期入院でこういったことは僕の中では意外ではあったけど、せっかくだからと妻に付き合ってもらって外出。特に用事があったわけでもないのだけど横浜に赴いた。しかしまあなんでだか中華街あたりをうろうろしてしまったものだから、物をろくに食べることのできない僕にはさっぱり意味のない街であった。とはいえ気分転換にはなったかな。

その後、ムロに退院をせがみ続け、入院から10日ちょっとで退院となったのであった。ありがとうムロ。

退院後にお酒は飲んでよいのかと抜け目なく確認し、飲みすぎなければと言われたので退院祝いにちょっと良いウイスキーを少量飲んだのだけど、どうも身体の様子がおかしい。めちゃめちゃすぐ酔うし、動悸までする。退院1週間くらいはそんな調子だった。

あれはなんだったろう。絶食とかして腸内きれいになりすぎで腸でアルコールを吸収しやすくなってたのか、それともじつはほんとに腸に穴があいてたとか。

どちらにしろ身体がクリーンになると弱るという街角のヘドロのような体質であることが確認されたのは発見だ。

 

今回の憩室炎は入り口で早めの対処をしたのでそろそろおさまりそうだ。さすがに入院とかまでしてられないからな。

そういえば最初の憩室炎で入院が決まったとき、当時の上司に事情を説明したらうっとうしそうなリアクションされたなあ。顔が見えないのに伝わってくるって余程だ。当然心配とかしてくれないし。

お前が腸に穴あけとけ!って思ってしまう。

 

とりあえず今日はほぼ快気祝いみたいなもんなので飲みに行こうと思っている。