普遍と平熱

かつてけっこう本気バンドをやっていて、途中で透析が始まったひとの平熱くらいの温度感の話

マリスオブ酒

一週間の始まりが憂鬱かといえば意外にそうでもない。強いて言うなら朝起きるのがつらく、満員電車がきついというところはあるけれど、そこを乗り切り職場に到着してしまえばするっと一日が終わる。

ただ、二日酔いの日は別だ。

自分が悪いのはわかっている。わかってはいるのだけど、つらいものはつらい。しかし、二日酔いでつらいんすよーとか言いながら仕事をするわけにもいかない。というか、知らんがな案件である。

二日酔いといえば、その症状はひとそれぞれなのだろうと思う。僕の場合絶望感に打ちひしがれたような気持ちで目が覚める。寝覚めはとにかく悪い。そのまま眠り続けたすぎて眠り続けられるなら残りの人生抵当に入れてでも寝たいという思いが去来するものの、仕事の日ならとにかく起きなければいけないし、そうでない日でも眠り続けると身体がカロリー不足になるのか眠っていられなくなってくる。最後のところ以外はおもにフィジカルよりもメンタルな部分でつらいということが多いように思う。

かなり重度の二日酔いだと胃がモノを受け付けない。というかとりあえず吐瀉する。吐瀉という概念に身体がついているのだとしたらそれは僕だろうし、口からモノを吐き続けるためだけに産み落とされた生物のようにとにかく吐くことしかできない。生業は?と言われれば迷わず「吐瀉です」とこたえる他ないくらいには吐きかます

ただ、反省の色が薄いことで定評のある僕ではあるけれど、最近さすがにそこまで重度の二日酔いにはなっていない。前に比べて飲む酒の質が少し良くなったというのもあるのかもしれない。実際この間久々にカラオケ屋のなんだかわからない酒を飲んだら妙に次の日つらかったことがあるので酒の質というのは関係がありそうな気がする。

僕の場合上記のような二日酔いが主なのだけど、昔の漫画などだと頭痛がすごいという表現が多かったように思う。ふらふらで起きてきたお父さんが「母さん、頭が痛いからお水をくれよ」「頭がガンガンするから大きな声を出さないでくれ」みたいな。

こういった症状のひとって結構いるものなのだろうか。僕の周りではあまり聞いたことない。

でも絶対血管系のトラブルだと思うんだよな。そういうの怖いから頭が痛くなってしまうよりは吐瀉のさだめをもって生まれてきてしまった生き物と化す方がましなのかもしれない。でもあれもランクがあがってくると喉が焼けちゃったりとかして大変はたいへんなので、最終的にはどちらにもならないというのがベストであろう。

あろう、とか言ってみたけど当たり前の着地点すぎる。ひとはいつか死ぬよね、とドヤ顔で言ってしまっているようなものだ。

昔、シャドウハーツというゲームがあって、負のちからだか、闇のちからを使えるキャラクターがそのちからを使いすぎるといわゆる「飲まれた」状態となり気が狂うという設定があった。

酒に飲まれるってその状況に少し似てる気がする。実際狂っちゃってるひと、いるものな。ほどほどのラインをそろそろ本当にみつけないといけない時期が来たようだ。